2018 Fiscal Year Research-status Report
免疫抑制剤服用小児における歯肉増殖症の発症メカニズムの解明と予防プロトコルの確立
Project/Area Number |
17K12026
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
島津 貴咲 日本歯科大学, 生命歯学部, 非常勤講師 (80582254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 幸裕 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (00281436)
島津 徳人 麻布大学, 生命・環境科学部, 准教授 (10297947)
苅部 洋行 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (50234000)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 薬物性歯肉増殖症 / 免疫抑制剤 / シクロスポリン / PCR |
Outline of Annual Research Achievements |
同意の得られた4-12歳の被験者(CsA-G群:シクロスポリンを服用し歯肉増殖を有する者、CON-NG群:薬物を服用しておらず歯肉増殖のみられない者)のプラークを採取し、7種の口腔常在菌のプライマーを用いてPCR法にて細菌の検索を行った。また、同サンプルを患者向け細菌検査(GC Corp.)に解析を依頼し、結果を比較した。 CON群(n=6)では、Streptococcus mutans, S. gordonii, S. mitis, S. sanguinis, Porphilononas gingivalis, Actinobacillus actinomycetemcomitans, Prevotella intermedia がそれぞれ4, 6, 3, 4, 6, 6, 5名検出された。CsA群(n=1)では、S. mutans, S. gordonii, S. oralis, S. sanguinis, P. gingivalis, A. actinomycetemcomitans,が検出されたが、P. intermediaは検出されなかった。一方、患者向け細菌検査では、P. gingivalisが1検体のみで検出され、他のサンプルでは検出されなかった。また、その検体では、Treponema denticola,Tannerella forsythia (Red Complex)も検出された。 ラボでのPCRでは7サンプル全てで歯周病菌が検出されたが、患者向け細菌検査では1サンプルのみで歯周病菌が検出された。ラボでのPCRで歯周病菌が検出されても、歯周病の病態を把握するレベルではないことが、結果が異なった理由と考える。今後は被験者数を増やし、シクロスポリン服用の有無、歯肉増殖の有無での口腔細菌層の違いを比較し、副作用の発症と細菌との関連性を解明したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
口腔サンプルの採取と臨床検査データの収集が、期間内に予定数に達していない。
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Strategy for Future Research Activity |
口腔サンプルの採取と臨床検査データの収集が予定数に達していない為、関連歯科医院施設として国立成育医療研究センターに研究協力を依頼し、倫理委員会の承諾を得た。
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Causes of Carryover |
口腔サンプルの採取と臨床検査データの収集が期間内に予定数に達さなかった為、次年度は関連歯科施設を増やし、微生物学的解析と病理学的解析の試薬等に使用する。
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Research Products
(2 results)