2017 Fiscal Year Research-status Report
介護保険施設の経口摂取・口腔衛生管理のトータルコスト・ベネフィットに関する研究
Project/Area Number |
17K12045
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大内 章嗣 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80334671)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 介護保険施設 / 介護報酬 / 経口維持加算 / 経口移行加算 / 口腔衛生管理体制加算 / 口腔衛生管理加算 / 歯科専門職 / 連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、介護報酬上、介護保険施設の入所者に対しては栄養管理(栄養マネジメント加算)における加算として経口移行・経口維持加算が設定され、口腔衛生管理(体制)加算も評価されている。研究代表者はこれまでの調査により、これら経口移行・経口維持加算や口腔衛生管理加算の算定施設割合が9~39%に留まり、歯科専門職との連携も十分進んでいない現状を明らかにし、歯科専門職の独自雇用がこれら加算算定に有意な関連を示すものの、その増収額は1施設平均月額62,000円程度に留まり、これら加算の直接的な増収額のみでは歯科専門職の直接雇用や連携の拡大には十分なインセンティブとなり得ないこと等を明らかにした。そこで、本研究では介護保険施設入所者を対象として、歯科専門職の栄養管理関連の加算の算定への参画や口腔衛生管理の実施などの介入研究を実施し、発熱・肺炎等による診療・投薬経費や入院にともなう施設サービス費減額等を含めた収支状況や調理・食事介助時間の変化の状況を調査することにより、歯科専門職との連携や参画によるトータルコスト・ベネフィットを明らかにすることを目的としている。 平成29年度は介入研究の実施に向けて、説明・同意書や調査票の作成、倫理審査委員会の承認(承認番号:2017-0219)、協力介護保険施設や歯科医師会・歯科衛生士会等の関係者への説明・協力依頼を行った。しかし、厚生労働省介護保険給付費分科会における平成30年度介護報酬改定の議論のなかで、栄養マネジメント加算や口腔衛生管理加算に係る要件や報酬額の見直しが行われることが明らかになり、これらの変更が介入期間中に生じた場合には、研究結果やその分析に大きく影響することになることから、介護報酬改定後の平成30年度を待って、実際の介入をスタートすることとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度は介入研究の実施に向けて、説明・同意書や調査票の作成、倫理審査委員会の承認(承認番号:2017-0219)、協力介護保険施設や歯科医師会・歯科衛生士会等の関係者への説明・協力依頼を行った。しかし、厚生労働省介護保険給付費分科会における平成30年度介護報酬改定の議論のなかで、栄養マネジメント加算や口腔衛生管理加算に係る要件や報酬額の見直しが行われることが明らかになり、これらの変更が介入期間中に生じた場合には、研究結果やその分析に大きく影響することになることから、介護報酬改定後の平成30年度を待って、実際の介入をスタートすることとした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究に協力を得られる介護保険施設は4施設確保できたが、あと2施設程度確保する必要があり、現在、歯科医師会等の協力のもと、対象施設を絞り込み、説明・協力依頼を行っている状況である。 一方、口腔衛生管理加算の要件である歯科衛生士の介入頻度が月4回以上から月2回以上に緩和されたことに伴い、介入に必要な協力歯科衛生士のマンパワーが相対的に低下したことは研究の実施・継続を容易にしている。 介護報酬改定の影響で、介入のスタートが想定より4~6か月程度遅れることとなったが、全体の介入期間としては4か月×3クールの1年間を予定しており、平成31年度中にはデータ収集を終えることが可能であると考えている。
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Causes of Carryover |
平成29年度は介入研究の実施に向けて、説明・同意書や調査票の作成、倫理審査委員会の承認(承認番号:2017-0219)、協力介護保険施設や歯科医師会・歯科衛生士会等の関係者への説明・協力依頼を行った。しかし、厚生労働省介護保険給付費分科会における平成30年度介護報酬改定の議論のなかで、栄養マネジメント加算や口腔衛生管理加算に係る要件や報酬額の見直しが行われることが明らかになり、これらの変更が介入期間中に生じた場合には、研究結果やその分析に大きく影響することになることから、介護報酬改定後の平成30年度を待って、実際の介入をスタートすることとした。このため、平成29年度は前述したような研究実施に向けた準備に留まり、介入研究の実施にかかる経費等の支出が平成30年度に後ろ倒しとなったために、次年度使用額が生じた。介護保険施設入所者への介入研究の実施に伴い、予定された経費の支出が行われることとなる。
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