2018 Fiscal Year Research-status Report
植物セラミドを用いた新規口腔乾燥治療法の開発と多軸的評価
Project/Area Number |
17K12052
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
清水 孝治 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (40440937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 格 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (80264448)
西 恭宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (10189251)
藤島 慶 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (50553153)
西村 正宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (00294570)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 口腔乾燥症 |
Outline of Annual Research Achievements |
表皮の細胞間脂質に存在するセラミドは,保湿やバリア機能に深く関与し,加齢やストレスで減少し,乾燥肌患者では著しく減少する事が報告されている.口腔乾燥患者の舌粘膜もこれと類似し,舌乳頭が委縮し保水しにくいため,舌粘膜の水分量が低下し,口腔乾燥感が悪化する.すなわ,舌粘膜におけるセラミドの減少と舌乳頭の委縮による保水効果の低下との関連性が強く推察できる.そこで,我々は,パイナップルセラミドの補給が,口腔乾燥症により委縮した舌乳頭を 改善し,舌粘膜での保水効果を高めることで口腔乾燥感を改善するとの仮説を立てた.本研究の目的は,これまで申請者らが行った口腔乾燥ならびに保湿剤に関する一連の研究成果をもとに,植物セラミドを用いた新規口腔乾燥治療法を開発し,その有効性について多軸的に評価するものである. 平成29年度は,測定方法の構築とセラミド錠の開発と評価を行った.測定は,口腔水分量に日内変動はないという報告を参考に,被験者への身体的負担を考慮し,全ての測定を同日に行うこととした.その結果,口腔乾燥感とQOL評価を行った後,口腔水分量の計測と舌乳頭の形状測定を行う方法を確立した.内服用試料については,シクロデキストリントローチを母体として検討を行い,食品として認可済みのパイナップルセラミドを含有したセラミド錠と含有しないプラセ ボ錠を作製した.また,セラミドの含有量,服用回数,服用期間について検討を行った. 平成30年度は,口腔乾燥の自覚自覚症状を有する者16名を対象にセラミド錠とプラセボ錠との交差試験を行った.評価項目を,舌粘膜の水分量,口腔乾燥に関する自覚症状(VAS値)ならびに舌の茸状乳頭としてセラミド錠とプラセボ錠の服用前後での値を比較した.現在,結果を分析中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
口腔乾燥の自覚症状を有する被験者の確保に難航したため交差試験の開始が当初の計画より遅れたため.
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は,引き続き,セラミド錠とプラセボ錠との交差試験の結果を分析し,成果発表を行う.また,セラミド錠で得られた量を参考にセラミドジェルの開発に着手する.市販保湿ジェルをベースにセラミドを含有したものの理工学的性状についての検討も行う.
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Causes of Carryover |
研究計画の変更に従い,平成30年度に購入予定であった物品と調査研究旅費を平成31年度に行う.
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