2017 Fiscal Year Research-status Report
多職種連携による口腔機能向上と栄養プログラムの介入で全身フレイルを阻止できるか
Project/Area Number |
17K12056
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
大神 浩一郎 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (40366175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 貴之 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (20366173)
竜 正大 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (20549985)
高野 智史 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (40615382)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | オーラルフレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は施設入所者におけるオーラルフレイルと食環境との関係を明らかにすることである。そこで、口腔機能低下症の診断基準である舌苔付着程度に着目し、舌苔付着程度に影響を与える因子について本研究を行った。特別養護老人ホーム入所者41名(男性5名,女性36名,平均年齢88±8歳)を対象とした。施設職員による歯面清掃および舌清掃を行ったのち,朝食後以降の口腔清掃を禁止した。舌苔の付着程度は昼食摂取後,Shimizuらの方法にて評価を行った。舌苔の付着程度に関連する因子として,舌表面の水分量,舌背の微生物数、食事形態,介護度,性別とした。舌表面の水分量は口腔水分計ムーカス(Life, Saitama, Japan)を用いた。舌の先端から約10mmの舌背中央部にセンサーを圧接して3回計測し,中央値を求めた。舌背の総微生物数は細菌数測定装置細菌カウンタDU-AA01NP-H(Panasonic Health Care, Tokyo, Japan)を用いた。試料は舌正中溝上の舌分界溝前方部より前方へ5回スワブすることによって採取した。食事形態,介護度,性別の調査は担当看護師に対する質問紙法で行った。舌苔の付着程度と各因子との相関関係はSpearman順位相関係数にて分析した。また舌苔の付着程度を平均値で2群に群分けを行った上で,それぞれに関係する因子をロジスティック回帰分析(ステップワイズ法)にて分析した(α=0.05)。舌苔の付着程度は,平均43.7±16.8であった。舌苔の付着程度と舌背の微生物数(r2=0.449,p=0.003), 副食における食事形態(r2=0.388,p=0.012)と介護度(r2=-0.308,p=0.050)との間に相関関係が認められた。ロジスティック回帰分析では副食における食事形態が舌苔の付着程度に影響する因子として選択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度にオーラルフレイルと食環境との関係を明らかにすることであった。しかし、入所者によっては身長測定が実施できなかった。そのため当初想定していた分析が年度内に行えなかった。引き続き、被検者を確保しつつ、調査項目の再検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、オーラルフレイルと食環境の関係を証明しようと研究を開始した。しかし、入所者の身体機能によっては身長測定が不可能な場合も生じて、評価項目によって評価不能になる問題点が生じている。そのため口腔機能低下症の診断基準を用いて、正常・口腔機能低下症(フレイル)の2群に分類するように変更を行う。その2群に対し、多職種による介入研究を行い、介入の影響を検討する。また対象者を増やすことで新たにデータを追加および評価項目の再考を行い検討を行う。
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Causes of Carryover |
2017年度に計画していた計測の実施が、年度内で終了せず2018年度まで繰り越してしまったため。
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