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2018 Fiscal Year Research-status Report

健常バイオマーカーに着目した糖尿病検査キットの開発

Research Project

Project/Area Number 17K12058
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

小林 平  日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (20267107)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 續橋 治  日本大学, 松戸歯学部, 講師 (80333110)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords糖尿病 / 口腔 / 検査キット / 培養法 / 選択培地
Outline of Annual Research Achievements

H30年度は、acriflavineを添加することにより著しくCorynebacterium matruchotiiの選択的発育性が向上したCorynebacterium matruchotii分離用選択培地の培地組成から寒天を除いた選択液体培地をベースにして、糖尿病罹患を察知可能な検査キットの開発を試みた。本検査キットは、上記のCorynebacterium matruchotii分離用選択液体培地に、指標となるCorynebacterium matruchotiiが産生する酸を産生することが可能な炭水化物とpH指示薬であるBromocresol purpleを添加したものである。これを0.2mLのPCRチューブに20µL分注し、臨床で採取した歯肉溝滲出液が浸み込んだペーパーポイントを挿入し、37℃で好気培養を行い、健常バイオマーカー菌の糖分解能を応用したpH指示薬による色調変化によって、基準値を設定したカラーチャートにしたがって判定するようにした。本年度は、本検査キットを用いて、糖尿病診断に有用な健常バイオマーカー菌を効率的に検出できるように最適な培養条件および正確なカラーチャートによる定量の判定を糖尿病患者と非糖尿病患者(健常者)から採取した試料を用いて調査した。その結果、全ての非糖尿病患者(健常者)群では、培養24時間後に本検査キットが紫色から黄色に変化したにも関わらず、ほとんどの糖尿病患者群では紫色のままであった。これにより、本検査キットを用いて24時間後に黄変しないものは糖尿病に罹患している可能性が示唆された。次年度も継続して試料を採取して本検査キットを用いて明瞭に両群を明瞭に区分可能な培養時間設定を検討する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

Corynebacterium matruchotiiの発育・培養に関しては、事前に文献等の調査および予備実験を行っていたために、研究に供するCorynebacterium matruchotiiの培養に関して、特に問題なく行うことが可能であった。また、申請者らはこれまでにAggregatatibacter actinomycetemcomitans、口腔Corynebacterium属菌、Microbacterium属菌、Rothia dentocariosa、Rothia mucilaginosa、Rothia aeria、Slackia exiguaなどといった病原性をもった口腔細菌を分離・検出するための複数の選択培地を開発した経験があり、これまでに培ってきた培養法による特定細菌の菌数算定のknow-howが本研究で十分に発揮できたために、本研究課題が概ね順調に進展している理由として挙げられる。また、抗菌薬感受性試験を行った結果、Corynebacterium matruchotiiが感受性を示さず、代表的な口腔細菌が感受性を示す抗菌薬を複数見つけることが出来たことで、スムーズに口腔試料を対象としたCorynebacterium matruchotiiを分離・検出するための選択培地の開発はスムーズに行うことが可能であった。

Strategy for Future Research Activity

より簡易なもので、コストパフォーマンスに優れ、検出感度が高く、臨床の場で実用可能な糖尿病診断検査キットの開発を目的としているために、実際に臨床で本キットが有用であるか否かを確認する。本学大学病院に来院する歯周疾患を有する非糖尿病患者50 名および糖尿病患者50名の歯肉溝滲出液を滅菌ペーパーポイントにて採取する。また、歯周疾患を有さない非糖尿病患者50 名および糖尿病患者50 名の歯肉溝滲出液を同様に採取する。本研究は、H29年度中に日本大学松戸歯学部 倫理審査委員会に本研究の申請を行い、承認を得ている。なお、本研究で対象となる被験者は、試料採取時に2カ月間抗菌薬の服用がない者とし、糖尿病患者と非糖尿病患者(健常者)の選別には、当学部に併設されている付属病院の内科医師の診断のもとに行うこととした。通法に従った選択培地による培養法による菌数の確認と総菌数に対する検出比率を確認する。それらの結果と開発する本検出キットの結果と比較検討することにより、本検出キットの有用性および基準値の設定を行う。なお統計的分析はKruskal- Wallis ANOVA を用いる予定である。なお、菌種同定はPCR法を用いるために、Corynebacterium matruchotii特異的プライマーを設計して行う予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2019

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] インプラント周囲炎で優勢なEubacterium属のMultiplex PCR法2019

    • Author(s)
      上里 ちひろ、内堀 聡史、田中 孝明、後藤 治彦、北川 剛至、小林 平、續橋 治
    • Organizer
      日本補綴歯科学会第128回学術大会
  • [Presentation] 最終補綴装置の作製時期決定に有用な細菌検査法の確立2019

    • Author(s)
      内堀 聡史、上里 ちひろ、田中 孝明、後藤 治彦、村上 洋、小林 平、續橋 治
    • Organizer
      日本補綴歯科学会第128回学術大会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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