2019 Fiscal Year Research-status Report
歯科治療時における嘔吐反射を抑制する新しいリラクセーション法の臨床応用
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17K12062
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
岡本 亜祐子 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (20779920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苅部 洋行 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (50234000)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 嘔吐反射 / 歯科不安 / 触覚刺激 / 嗅覚刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、平成30年度に検討した嘔吐反射の緩和に有効な介入方法のうち、予備的研究の結果から嗅覚刺激(アロマ)、触覚刺激(経穴刺激およびストレスボール)を用いた緩和効果を検討した。平成29年度にまでに確立してきた嘔吐反射発現までの評価法を用い、研究協力者を募り20名の計測を行った。研究協力者に介入なし(コントロール)、アロマ(ペパーミント)、経穴刺激(内関)、ストレスボール(ソフト)介入時の嘔吐反射指標を測定し、各介入方法のプラセボ群であるアロマ(蒸留水)、経穴刺激(内関の反対側)、ストレスボール(ハード)と比較した。さらにポジティブコントロールとして笑気吸入鎮静法下で計測を行い、得られた結果を比較検討し嘔吐反射への介入効果を評価した。 現在までの研究結果では、①嗅覚刺激では、コントロールに比べてペパーミントで嘔吐反射評価指標が有意に増加したが、プラセボでも同様に有意に増加を認めた。またペパーミントと笑気吸入鎮静法での増加には有意差がなかったが、プラセボと笑気吸入鎮静法では有意差を認めた。②経穴刺激では、内関、プラセボともコントロールに比べて嘔吐反射評価指標が有意に増加した。③ストレスボールでは、ソフト、プラセボともコントロールに比べて嘔吐反射評価指標の増加に有意な変化はなかった。 令和2年度は引き続き研究協力者を募り、さらなる研究を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度は嘔吐反射に有効な介入方法について、予備的研究の結果から嗅覚刺激(アロマ)、触覚刺激(経穴の刺激およびストレスボール)を行うことを決定し研究を進めていたが、研究協力者の獲得にやや時間を要したため当初の計画よりやや遅れている。 また、使用していた笑気吸入鎮静器が故障し新規に購入をしたため、研究が一時中断したことも遅れにつながった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、令和元年度に引き続き10名程度の研究協力者を募り、計測を行う。研究協力者にコントロール、素材による介入、プラセボによる介入、ポジティブコントロール(笑気吸入鎮静法)のクロスオーバー試験を行い比較検討し、嘔吐反射への介入効果を評価する。 研究結果は国内と海外の学会で発表する。
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Causes of Carryover |
研究計画が当初予定よりやや遅れているため次年度使用額が生じている。 令和2年度は、令和元年度に引き続きデータの収集を進めていき、助成金は研究協力者への謝金および研究成果の発表と論文投稿に使用する予定である。
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