2019 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of nursing interventions increasing parasympathetic nervous activity in chronic disease patients
Project/Area Number |
17K12091
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Research Institution | Ibaraki Christian University |
Principal Investigator |
山本 眞千子 茨城キリスト教大学, 看護学部, 教授 (20295380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 健太郎 茨城キリスト教大学, 看護学部, 講師 (40714358)
尾形 優 茨城キリスト教大学, 看護学部, 講師 (10824732)
河野 かおり 獨協医科大学, 看護学部, 講師 (60619625)
桑原 正貴 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (30205273)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 副交感神経活動リザーブ / 積極的看護介入 / 慢性疾患患者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は慢性疾患患者における副交感神経活動リザーブの評価や、疾患モデルマウスにおける自律神経活動指標と病態進行・重症度との関連などの基礎的な検討を実施し、副交感神経活動リザーブを高める積極的な看護介入方法の効果を明らかにすることを目的とした。 慢性疾患患者における副交感神経活動リザーブを高める積極的看護介入の検討では慢性腎臓病患者を対象として意識的に深呼吸を実施するSlow breathing exercise(SBE)の効果を検討した。その結果、重症な慢性腎臓病患者の場合であっても、積極的看護介入後において拡張期血圧の低下や安静時の副交感神経活動の増大、末梢循環の促進をもたらす可能性を示唆した。 一方、疾患モデルマウスを用いた検討では自然発症型2型糖尿病モデルのNSYマウスを対象に環境エンリッチメントとして齧歯類用巣箱を設置し、テレメトリー法を用いた心電図記録による心拍変動周波数解析を実施した。その結果、巣箱を4週間設置することで設置群の明期におけるHF値の増大がみとめられ、さらに長期間継続した巣箱の設置により対照群よりもHF値は高値を示した。これらのことから、環境エンリッチメントとしての巣箱設置は安静時の副交感神経活動を高め、それを維持させることが明らかとなった。 研究期間全体を通じて、健常者および有疾患患者、疾患動物モデルを対象に心拍変動周波数解析を中心とした自律神経活動評価を実施した。これらの結果から生体の予備能であると考えられる「副交感神経活動リザーブ」は健常者だけではなく腎疾患患者の重症症例でも積極的看護介入によって高めることができることが明らかとなった。今後は本研究結果を基盤として今回対象としなかった慢性疾患や病態、重症度における副交感神経活動リザーブの評価および多角的な積極的看護介入効果の検討を展開していく。
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