2017 Fiscal Year Research-status Report
看護師の倫理的行動を促進する教育・支援プログラム開発のアクションリサーチ
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17K12093
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
福宮 智子 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (00644593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八尋 道子 佐久大学, 看護学部, 教授 (10326100)
前田 樹海 東京有明医療大学, 看護学部, 教授 (80291574)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 看護倫理 / 臨床倫理 / 教育プログラム / 倫理的行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
H29年度は文献調査ならびに関連学会への参加を通じ最新研究動向を把握することと併行して、これまでに実施した調査結果の分析、プログラム評価のための調査票の精錬、アクションリサーチの第一段階を行った。 ・調査結果の分析:1)倫理的行動力に関する質問紙調査の分析からは、職位や臨床経験年数との関連を認めたものの臨床経験年数との関連は弱い相関にとどまったことに加え、臨床経験年数との関連に乏しい項目も明らかとなるなど教育・支援において着目すべき示唆を得た。2)入職直後の新人看護師に対する質問紙調査の分析では、基礎教育における倫理に関する学習経験や事例検討経験の有無と実施時期などの実態を明らかにした。3)新人看護師を対象とした研修プログラム(年3回実施)の評価の分析からは、倫理に関する能力の自己評価は研修前よりも3回目の研修後に有意に上昇したものの前回研修後の評価からは明らかに下降する変化を毎回認めたことから、研修での学習内容を実践で意図的に活用して研修効果を維持・向上できるような工夫や支援が必要であると考えられた。なお研修の満足度は高い結果が得られた。これらの結果の一部は、日本看護倫理学会と日本看護管理学会で発表した。またその過程において当該分野の先駆的研究者らから本研究に有益な意見を得ることができた。 ・調査票の精錬:文献検討や上記調査結果の分析から得られた知見をもとに、看護倫理の専門家との討議を行い精錬している段階である。 ・アクションリサーチ:新人とリーダークラスに焦点をあてた対象別の教育プログラムを現場のニーズに合わせて修正し実施した。また現場における倫理カンファレンスにファシリテーターとして繰り返し参加し、リアルな事例における倫理的行動力の促進を図りつつ、現場のニーズを把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
基礎調査およびアクションリサーチの第一段階の調査票の分析について、アクションリサーチとして現場への介入と併行して行うなかで時間を確保できず予定よりも時間を要したことが主な理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
調査票のひと通りの分析は終了したがさらに詳細な解析が必要な状況である。そのため今年度は介入よりもその解析を優先的に進める方針に変更することとする。研究代表者のエフォートを高め進展を図るともに、研究分担者・協力者と連携し、できるだけ早期に解析結果をまとめ調査票およびプログラムの改善につなげる。また投稿作業を進めていく。
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Causes of Carryover |
統計ソフトのバージョンとの兼ね合いを考慮した結果、今年度のノートパソコンおよび統計ソフトの購入の一部を見送ったこと、調査票の集計・分析作業を一部次年度以降に持ち越したこと、またその作業にかかる費用を抑えられたことが主な理由である。今後の分析にかかる費用として使用する予定である。
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