2020 Fiscal Year Research-status Report
医行為の実施による看護の機能拡大と看護の専門職化に関する歴史的研究
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17K12097
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
川原 由佳里 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (70308287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 幸子 東京慈恵会医科大学, 医学部看護学科, 教授 (20286371)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高度看護実践 / ナースプラクティショナー / 専門看護師 / 歴史 / 看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、前年度の看護師の医療的ケア実施に関する歴史に影響した社会・政治的要因と主要なアクターの力関係についての分析をふまえて、看護師による医療的ケアの実施が、看護の専門職化にもたらした影響を評価し、論文の作成を行った。これまでの歴史に見る通り、看護職のみならず関連職種も含め、人々の健康ニーズに応じるべく侵襲性をともなう医療的ケアを導入してきた。医療的ケアの実施においては、とかく状況を的確に判断し、適切な技術を提供する教育訓練および法的整備の必要性が強調されがちであるが、一方で高度実践そのものの在りよう、すなわちこれらの医療的ケアを取り入れた実践を「看護」の実践として発展させることも、粘り強く探求されてきたといえる。後者が重要とされたのは、人々の健康とQOLには、医学だけでなく様々な職種によるアプローチが存在することが重要であるからであり、そして高度な医療的ケアを受け入れることが看護師としてのアイデンティティを脅かし、従来の「一看護師につき一患者」の看護ケアモデルではなく「一看護師につき一技術」になるなど、看護師が患者の全体をみることなく、特定の行為の技巧や洗練に走るなどの恐れが懸念されたからである。現在も米国では高度実践看護師による診療に対する償還払いは医学の診断治療体系に基づくもので、看護独自の診断治療体系に基づくものにはなっていないなどの課題はある。高度実践看護の健全な発展のためには、看護の人々への貢献を包括的に捉え、推進する独自の診断治療モデルの構築が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度はCOVID-19の感染拡大とそれによる学内の遠隔授業対応に追われ、海外ならびに国内での出張調査はほとんど不可能であった。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の感染拡大の影響は続いており、国内外での調査の困難が想定されるが、可能な範囲で国内外の文献、関係のある諸団体における高度実践看護に関する議論を収集して、現在における各国の高度実践看護と看護の専門職化への取り組みの方向性について明らかにする。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染拡大により国内外での調査が困難であったため。 今年度も容易ではないことが予想されるが、文献やWeb上での調査を実施する。
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Research Products
(1 results)