2018 Fiscal Year Research-status Report
患者の情報プライバシー上のニーズを電子カルテ画面に反映する方法の開発
Project/Area Number |
17K12098
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
新實 夕香理 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (20319156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 勝正 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (60194156)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 情報プライバシー / 電子カルテ / 表示方法 / 患者 / 看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、患者のプライバシー上のニーズに基づく電子カルテ画面の一部非表示化を実現するために、患者のニーズを把握できる具体的な方法を明らかにすることである。 H30年度は、患者の情報プライバシー上のニーズを適切に把握する方法を明らかにするために、タブレット上に示された電子カルテの模擬的なテンプレート画面を実際に操作してもらうことによって、患者の情報プライバシーに対する意向を聴取する方法に関する意見を得たいと考え、看護師を対象としたグループインタビュー調査を計画し、実施した。 調査対象は、東海・甲信越地方にある10の医療機関に勤務する看護師30名である。インタビューは、インタビューガイドに沿って、基本属性(年齢、経験年数、所属病棟、電子カルテの利用年数など)、および模擬的なテンプレート画面のデザインの評価、タブレッドを用いた患者の情報プライバシーへの意向の聴取方法とそのタイミングなどを聴取した。調査期間は、平成31年1~3月である。分析手順は、インタビュー内容を逐語録として作成し、インタビュー項目ごとに内容を整理し、内容分析を実施する。分析過程は看護情報学に精通した研究者の指導により、信頼性と妥当性を確保するように努めている。 また、先行研究成果の一部を国際看護情報学会NI2018(メキシコ)での演題発表を通じて参加者から有用な意見を得ると共に、諸外国の電子カルテ導入に関わる課題などについて情報収集を行った。さらに、関連研究として、国際医療情報学会Medinfo2019(フランス)での演題登録を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
情報プライバシーへの意向を患者が直接タブレットへ入力できる調査用の電子カルテの模擬画面(テンプレート画面)の完成が遅れたため、それに伴って患者を対象としたインタビュー調査が実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度は、看護師を対象としたグループインタビューデータの整理、解析を進め、模擬的なテンプレート画面の改善点が明らかになり次第、模擬的なテンプレート画面改良版の作成を行う。次に、模擬的なテンプレート画面改良版を用いて患者を対象としたインタビュー調査を実施する。併せて、国内学会において看護師を対象とした調査に関する成果発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
(1)模擬的なテンプレート画面の作成を専門業者に委託したが、想定していた経費よりも低かったこと、(2)模擬的なテンプレート画面を用いた調査研究の準備に遅れが生じたため、模擬的なテンプレート画面改良版の検討および患者を対象としたインタビュー調査が実施できなかったことにより、次年度使用額が生じた。 患者対象のインタビュー調査が開始できなかったため、本年度に計上していた物品費、国内旅費、調査協力への謝礼などの費用を最終年度に使用する。また、令和元年8月に開催されるMedinfo2019での情報収集、医療情報学専門家との意見交換によって今後の研究推進のための貴重な知見が得られると考え、学会参加費および旅費に充てる。
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Research Products
(3 results)