2019 Fiscal Year Research-status Report
顔から笑いを抽出するメカニズムの解明:対人コミュニケーションへの応用を目指して
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17K12101
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Research Institution | The Japanese Red Cross Toyota College of Nursing |
Principal Investigator |
三木 研作 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (10442534)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 表情 / 脳波 / 経頭蓋電気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回は、経頭蓋電気刺激のための先行実験として、マスキング刺激による刺激提示方法による実験を行った。この刺激方法は、ずっと物が動いている画像内に、ごく短い時間(約16ミリ秒)画像を提示しても、被験者には、その画像が知覚されない。ただし、画像自体の情報は、脳に伝わっているために脳活動は検出される。通常人間は表情認知を無意識におこなっていることから、今回はこの刺激方法で予備実験を行った。被験者は20名行い、現時点では、顔認知特異的成分である顔画像提示後約170ミリ秒にみられるN170成分の検討を表情ごと(笑った顔、怒った顔、無表情の顔)に行っている。今後は、以前行った提示時間が長い(500ミリ秒)実験と比較検討して、表情認知の特性を検討していく。また、もともとは経頭蓋電気刺激を用いて行う予定であったが、最近、安価でより有用性の高い経頭蓋静磁場刺激機器が発売され、そのどちらもしくは両方を用いて検討を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
経頭蓋電気刺激装置の購入を考慮していたが、新規参入会社の機種が2019年後半以降に発売されることがわかり、今までの機種との性能ならびに価格を比較検討していた。また一方で電気刺激よりも安価で、より応用性のある経頭蓋静磁場刺激装置も販売され、今後これらのいずれを購入すべきか、国内外の状況の検討や購入業者からの意見をもとに購入機器を決定したいと考えていた。しかし、その後、最近のコロナ感染状況から購入業者との交渉などが一時停止している状態であり、状況が落ち着き次第、高額な機器のため慎重に購入決定を行いたいと思っている。
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Strategy for Future Research Activity |
最近のコロナ感染状況から、現在の所属先では未だ実験が再開できる状況ではなく、今後の見通しも厳しい可能性がある。まずは、研究実績の概要でも述べたように今回行っている予マスキング刺激による実験と今まで行ってきた通常の刺激提示方法による実験の比較検討を行い、より経頭蓋電気刺激もしくは静磁場刺激の実験に適した方法を選択し、今後実験を行っていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
経頭蓋電気刺激機器に関しては、現状販売している会社に加え、新規参入する会社が出てきたためにその機種を比較検討の上、購入することを考えている。また、加えて、安価で有用な経頭蓋静磁場刺激機器も販売されるようになり、経頭蓋電気刺激と経頭蓋静磁場刺激の特性を考慮の上、どちらか一方もしくは両方の購入を検討している最中である。
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