2018 Fiscal Year Research-status Report
Systematic Approach to Forensic Nursing Philosophy
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17K12106
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Research Institution | The Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing |
Principal Investigator |
力武 由美 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 准教授 (70514082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳井 圭子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (60412764)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フォレンジック看護哲学 / 原理・原則 / 体系 / 人間の尊厳 / 暴力 / 死 / 公平性 / エビデンス-ベイスト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究テーマに基づく過去2年間の調査研究の結果を踏まえ、またフォレンジック看護学創成期の原典に戻り、国際フォレンジック看護学会創設者・初代会長のフォレンジック看護学創設に至る発想とアイデアの発展を追跡することを目的として、同女史へのインタビュー調査の実施および同女史のあらゆる著作物ならびにメモ等の収集を行い、さらにフォレンジック看護哲学の原理・原則をあらわす言説の抽出と分析を行い、フォレンジック看護哲学の構造を探求する途にある。その成果はJournal of Forensic Nursingへ投稿するため、現在論文のアウトラインを作成中である。 フォレンジック看護哲学の重要な概念の1つであり、同哲学の構成要素の1つとして「死」という概念が抽出された点が、大きな発見であるといえる。 他方、日本国内の各都道府県に設置された性暴力被害者支援のためのワンストップセンターのうち2か所を訪問し、本研究協力者から性暴力の実情およびその背景の特殊性ならびに対応上の不安やニーズを聞き取り、そのデータをもとにフォレンジック看護実践上の哲学を浮かび上がらせる試みを行っているところである。本研究の成果は、2019年10月12日―15日にメキシコで開催されるThe 24th Congress of the World Association for Sexual Healthでの発表にエントリーし、要旨はすでに受理されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査に関しては計画通り遂行できている。 但し、当初研究計画には入れていなかったものの、フォレンジック看護学の創設者の紹介により、法医学者と連携を取りフォレンジック看護の先進的取組みをしているスイス、チューリッヒ大学でのフォレンジック看護実践プログラムへの参加が2019年3月に許可され、4月26日に同大学を訪問する計画を立てようとしたが、家族の突然の疾患発見により実現できなかったこと、加えて2019年9月11-14日開催のInternational Conference on Forensic Nursing Science and Practiceでの研究成果発表のためのエントリーが、同じく上記の理由により実現できなかったことは、本研究の途中成果を公表し学会員との議論の俎上に乗せることができなかったことは、本研究のテーマを深める上では残念な事態となったことは否めない。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は本研究の完成年度であるため、フォレンジック看護哲学の原理・原則および体系を明示する上で、不明な点、曖昧な点、不十分な点を洗い出し、フォレンジック看護学の創設者および創設に貢献した研究者・実践者を訪問し、インタビュー調査および討議を通して、本研究の目的を達成する予定である。さらに、本研究の成果は国際フォレンジック看護学会ならびに関連領域である国際看護哲学学会、国際法科学会へ論文を投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
主に、書籍の購入手続きが遅れたこと、計画していた調査の実施が研究代表者の家族の予期せぬ病気により今夏に延期されたことによる。
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