2018 Fiscal Year Research-status Report
臨床看護師の看護実践能力の獲得順序性に準拠した能力育成プログラムの開発
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17K12117
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
深田 美香 鳥取大学, 医学部, 教授 (10218894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫛田 大輔 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (30372676)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 看護実践能力 / 能力獲得順序性 / 階層構造化モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床看護師の看護実践能力獲得状況の自己評価について横断的に調査し、臨床看護師に対するキャリア支援方略を検討することを目的としている。鳥取大学医学部附属病院病棟に勤務する看護師717名を対象とした。回収した調査票418件(回収率58.3%)のうち、無効回答のある調査票を除き、363件(有効回答率87.8%)を分析した。看護実践能力は、看護実践能力評価尺度(CNCSS: Clinical Nursing Competence Self-Assessment Scale)を使用し測定した。CNCSSは13概念64項目からなり、達成の程度について4件法で回答を求めた。対象者は、臨床看護師としての経験年数により5グループに分け、それぞれのグループの看護実践能力自己評価について分散分析を用いて比較した。臨床経験2年目看護師は、自立して看護を実践することが求められているが、今回の調査結果からは、自信のなさが表れていた。そのため、実践状況において、自立した看護を実践しつつも先輩看護師の細やかな支援を必要としている。臨床経験6~10年目看護師は、専門性を高める重要な時期であり、自らの看護の実践に意味を見出すことで成長実感を得ることができる支援を必要としている。 看護実践能力の獲得順序性分析については、CNCSSデータ(363名分)を基にNurse-Skillチャートを作成し、コンピテンス項目別の達成度から達成難易度を確認した。そして、達成度と達成難易度の関連を精査し、不適切な項目を削除し、64項目から39項目を選択した。各能力の特性を算出し、看護実践能力の修得予測年数を算出した。今後は、コンピテンス項目の修得に係る先行順を影響経路図で表し、看護実践能力の獲得順序性を考慮した教育プログラムを作成する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床看護師の看護実践能力の獲得状況について、2017年度に行った調査の分析を予定通り実施した。また、看護実践能力の獲得順序性を予測するために、各能力の達成内度の確認と項目精査、経験年数別実践能力得点の算出、能力習得機関の予測式を作成した。
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Strategy for Future Research Activity |
看護実践能力の獲得順序性分析について、階層構造化モデルによる能力間の影響経路図を作成し、看護実践能力の獲得順序性を明らかにする。明らかにした臨床経験年数と看護実践能力の関連を基に、効果的な看護実践能力獲得プログラムを作成する。
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Causes of Carryover |
資料整理のための人件費を計上していたが、研究協力者に依頼した。分析データの印刷についてもデジタルデータのままで処理したため、使用しなかった。研究成果発表旅費を4名で計画していたが、2名分のみ支出した。以上の理由により、次年度使用が生じた。2019年度は、最終年度であり、成果発表のための旅費、報告書作成に使用する。
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Research Products
(1 results)