2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K12121
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
古都 昌子 札幌市立大学, 看護学部, 准教授 (00602583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田嶋 裕輝 名古屋市立大学, 看護学部, 講師 (20707567)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 物理的環境 / 指標設定 / 学生の実習物品 / 学生の居場所 / 感染管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の取り組みは、事前調査結果などをもとに看護学的な環境の理解と空間デザイン学的なユーザビリティの視点により、標準化した「モデルタイプ第1案」を作成することであった。平成26年度~28年度の調査結果や実習施設の環境視察により、研究者間で学生の居場所と実習物品の設置について会議をもって意見交換した。一部のメンバーとは、電話会議を行った。メンバーの意見に加えて、以下の取り組みにより、情報収集を行い、「モデルタイプ第1案」の骨子を作成した。 平成29年8月に開催された看護学教育学会において『看護学実習における学生の学びを支援する―学生の居場所や実習物品に着眼して―』のテーマで交流集会を企画・運営した。今までの研究成果を紹介するとともに物理的環境の指標について参加した看護教員や実習指導者からの専門的な意見を得た。また、平成29年10月に開催された東京女子医科大学看護学会において関東地方の看護基礎教育の全教育施設(大学71校、3年課程看護師養成所128校計199校)に質問紙を郵送した研究成果を公表した。回収数は、大学25校(35.2%)、看護師養成所(以後、看護学校とする)59校(46.1%)の計84校であり、回収率は42.2%であった。関東地方の看護基礎教育施設の現状から、大学と看護学校の現状では、一部差異がみられたが、学生専用のスペース、実習の展開に適した物品の不足などの共通した課題と限界も明らかとなった。病棟に持ち込んでいる物品は多いと想定され、感染管理上の課題も懸念される。物理的環境の指標を可視化するともに、限界をふまえて教育的配慮により調整する必要性が示唆された物理的環境の指標について提案し、特に看護学実習の物品配置については感染管理の視点からも重要課題であると意見を得た。 今後は、物理的環境の指標に基づくプロトタイプの提示をし、効果検証の調査を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度から28年度までの調査結果に基づく看護学実習における学生の居場所と実習物品についての検討を進めてきた。平成29年度にデータをまとめた関東地方の悉皆調査結果をもとに平成29年度の取り組みとして計画していた看護学実習の物理的環境の指標に関する示唆を得ている。 また、看護学教育学会における交流集会でのセッションから得た意見や、連携協力者からの実習情報を参考にできた。また、分担研究者、連携協力者が会した打ち合わせの会議を12月に開催し、指標設定からモデルタイプ第1案につながる検討を行うことができた。分担研究者連携協力者とは定期的な意見交換が行えている。 デザイン学的な見地では連携協力者の意見を得て、ユーザビリティとしての要件を加味してプロトタイプ案を作成した。以上から、平成29年度の実習環境の「モデルタイプ第1案」の作成のプロセスを概ね、たどったものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度以降は、作成した「モデルタイプ第1案」の現実可能性や効果検証に向けてのグループインタビューを企画・実施する。看護学実習を担当する教員グループ、実習指導者グループを作成し、札幌、東京などの都市にてインタビューを行う予定である。その結果を統合分析し、「モデルタイプ第1案」を評価する。さらに「改訂版モデルタイプ」案を作成する。「モデルタイプ第1案」については、デザイン学的な視点での意見をもとにインタビュー参加者に伝わりやすい提示をする必要があると考えている。
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Causes of Carryover |
平成29年度計画の実習環境の「モデルタイプ第1案」について、物理的環境に関するプロトタイプの作成に予算を要すると想定していた。しかし、平成29年度取り組みは主に実習物品に関する検討を中心に行ったため、予想よりも経費を要さなかった。物理的環境の学生の居場所に関する検討を平成30年度以降に進める予定のため、物品費に計上する予定である。
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Research Products
(2 results)