2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K12121
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
古都 昌子 札幌市立大学, 看護学部, 准教授 (00602583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田嶋 裕輝 名古屋市立大学, 看護学部, 准教授 (20707567)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 基礎看護学実習 / 物理的環境 / 学習専用スペース / 実習専用バッグ / 物理的環境の指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
基礎看護学実習における物理的環境の設定に向けて、平成30年度の取り組みは、平成29年度に実施した看護学教育学会交流セッションにおける専門職からの意見および関東地方の看護師教育機関の全数調査の結果に基づき、実施した。具体的には、看護学実習の物理的環境における「学生の居場所」と「実習物品」について、《学生のスペースが確保されている》《実習物品の必要数を配置・整備する》《学生用の電子カルテがある》の3つの視点について、看護学教育の専門家より意見を得て、それぞれの指標となる「ナーステーション内の学習スペースの設定」、「実習物品の持ち込みをなくし、実習専用バッグによる物品の定数化」、「学生用の電子カルテが2人に1台を設定」と仮設定し、モデル第1案として設定案を示した。その案について、基礎看護学実習の指導にかかわる看護系大学の教員、看護師養成所の教員、実習指導者のそれぞれ5-6名のグループにフォーカスグループインタビューを東京、札幌を拠点として実施した。インタビューにより、ナースステーションにおける学生専用の学習スペースについて次のモデル案を抽出した。また、実習専用バッグについては、1案から意見により3案までアレンジし、病棟の置き場を取らない中で感染管理上も問題の少ない素材や大きさ、機能を有する実習専用バッグの抽出に至った。電子カルテについては、施設ごとの実習生用の保有数が異なる現状があるがパスワードの管理や利用方法についても基準として設定したいと考えている。 2018年12月から2019年2月に3つのグループインタビューを実施し、グループインタビューごとに意見を反映して改善案についてさらなる意見を得た。現在、詳細を分析中であり、今後、学会発表及び論文化を予定している。インタビュー結果を統合分析し、基礎看護学実習の物理的環境として可視化できる基準を設定し、検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度の予定は【モデルタイプ第1案の評価と「改訂版モデルタイプ」の作成】であった。モデルタイプ第1案の評価に向けたグループインタビューにより、改訂版が固まりつつある。令和元年度(平成31年度)は、これらの知見を統合して「モデル病棟」として可視化することにあり、学生の視点も取り入れて効果を検証する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者が所属施設を変わったが、元来、分担研究者や連携協力者とはメールなどの通信機器を用いた連携をとっていたため、困難は生じにくいと考えられる。 今後は、「モデル病棟」としての可視化に向けて、研究代表者の大学に併設されている短期大学住居空間専攻の教員などにも専門的な意見を得ながら進める予定である。また、看護系大学の基礎看護学領域教員や看護師養成所教員、実習指導者、学生からの意見を分析しながら指標設定に向けて検証していく。
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Causes of Carryover |
平成30年度研究計画における「モデルタイプ第1案」の作成について、相当の予算を要すると考えていたが、当初計画より経費を抑えてモデル案を作成した。令和元年(平成31年度)は、住居環境としてのモデルタイプを想定しており、病棟視察による旅費および物品費の経費を計上して研究をすすめる予定である。
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