2019 Fiscal Year Research-status Report
学習者中心パラダイムに基づく看護人材育成のための自己点検支援ポータル開発
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17K12122
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
遠藤 良仁 岩手県立大学, 看護学部, 講師 (00438087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 收 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (40320246)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 学習者中心パラダイム / 自己調整学習 / 相互コーチング |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目にあたる本年度は、看護師12名を4グループに分けて実施したフォーカスグループインタビュー(FGI)の分析から明らかになった特徴を活かし、看護師向けの自己点検を支援する教育プログラムを考案した。 グループA(看護師長3名)、グループB(副看護師長、主任看護師、看護師)、グループC(看護師長、主任看護師2名、看護師)、グループD(主任看護師2名)に、それぞれ75分から95分のFGIを実施した結果、以下の特徴が明らかになった。①看護師の自己調整学習の獲得には、自己評価の低さと行動化の躊躇と同調(横並び)指向、先輩看護師の疲弊による獲得の困難さがある。②新人研修における自己調整学習の獲得の優先順位が低く、経験2年から3年目看護師の自己調整の未修得による自立の困難さが起こっている。③指導者は、新人看護師の早期離職防止と新人看護師に「嫌われたくない」という本音があり、自己調整学習獲得への指導に葛藤を抱えている。 これらから、看護師への自己調整学習の獲得を促進するためには、学びに積極的で影響力のある看護師が、自己調整学習への理解を深めながら自らが有るべき(有りたい)指導者像を探究していく原体験を通して自己調整学習を高め、他のスタッフのモデルとなっていくことが有効な方略と考えられた。 上記の分析を基に今回開発した教育プログラムは次のとおりである。まず、本プログラムの専用サイトにログインし、サイト内の自己調整学習理論とコーチング理論の資料を読み小テストで前提知識の獲得を確認する。次に、3名の看護師でグループを作成し、それぞれ自身の個人目標と実践報告を専用サイト内の掲示板に投稿、それに対して他メンバーへコーチとしての投稿やコーチとのやりとりの観察結果のフィードバックの投稿を相互に行い、内省の触発を狙う。これを1週間毎に4週間継続し、最終的に自己評価を行って完了とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フォーカスグループインタビューの結果をもとに看護師向けの自己点検を支援する教育プログラムを考案できた点については研究の進捗計画どおりに進んだものの、教育プログラムの評価を行うために協力いただける医療施設のマッチングに時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、看護師向けの自己点検を支援する教育プログラムを現職の複数の施設の看護師長に実践していただき、教育効果を評価するとともに、教育プログラムおよびオンライン教材の改善を行いたいと考えている。
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Causes of Carryover |
令和2年度は、教育プログラムを用いた調査に関する研究者の旅費、対象者への謝礼、インタビューデータの逐語録作成、質的データの分析方法のトレーニング費用、ならびに成果発表のための出版費用、教育工学の専門家からの試作版LMSに関するコンサルテーションを得るための経費・謝金、LMSの保守・維持費等に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)