2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development and verification of an educational program of nursing care for victims immediately after a sexual assault incident
Project/Area Number |
17K12129
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
福本 環 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (40650619)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 性暴力被害女性 / 看護ケア / 被害直後 / 医療機関 / ワンストップ支援センター / 面接調査 / 質的記述的研究 / 質的内容分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、本研究において、女性看護職20名を対象とした面接調査を実施し、看護職が被害直後にワンストップ支援センターと連携する医療機関を受診した性暴力被害女性に対して実際に提供しているケアをケアの意図性を含めて明らかにし、必要とされる看護ケアを検討した。分析の結果、被害直後の性暴力被害女性に提供している医療機関における看護ケアとして、【安全と安心の提供】【円滑な診察のサポート】【信頼関係の構築】【心身および尊厳の回復支援】【支援の継続】の5つが抽出された。そして、必要とされる看護ケアとして、提供されている看護ケアから浮き彫りとなった課題より「専門的知識を備えた女性看護職を主体とした支援体制の構築」「女性警察官との連携」「急性ストレス障害およびトラウマに配慮した看護ケアの充実」「『汚れてしまった』という感情に配慮した看護ケア」の4つが導かれた。また本研究は、抽出されたケア内容が医療機関の体制の影響を受けている現状も示した。具体的には、男性医師も対応することがあった<医師が看護職に診察以外の対応を任せている>医療機関の看護職は、【安全と安心の提供】【円滑な診察のサポート】【信頼関係の構築】【心身および尊厳の回復支援】【支援の継続】の5つ全てを提供していたのに対し、女性医師のみが対応していた<特定の医師が主となって対応する>および<看護管理者が医師と協力して対応する>医療機関の看護職は、主として【安全と安心の提供】【円滑な診察のサポート】【支援の継続】の3つを提供していた。<医師が看護職に診察以外の対応を任せている>医療機関に所属する看護職が5つすべてのケアを提供できている要因として教育の影響も示唆された。 最終年度となる令和3年度は、令和2年度に分析を終えた結果のうち、被害直後の性暴力被害女性に提供している医療機関における5つの看護ケアについて学術雑誌に投稿を行った。
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