2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K12132
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
加藤 法子 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (20330699)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 看護技術 / 吸引 |
Outline of Annual Research Achievements |
吸引は看護技術の中でも侵襲を伴う技術として位置づけられる。看護師等養成所の運営に関する指導ガイドラインによると、吸引技術は演習においては「モデル人形もしくは学生間で指導の下で実施できる」、実習においては「実施が困難な場合は見学する」が卒業時の到達目標とされている。このように、看護師養成課程においてはモデル人形で実施できるレベルを目標としているため、新卒の看護師が患者に吸引を実施する場合、モデル人形で学んだ技を実際の患者に適応させていく必要がある。このため、患者が経験の少ない看護師に吸引を実施される場合、吸引そのものの苦痛に加え技術の未熟さからくる苦痛が生じている事が考えられる。以上のことから本研究では、吸引技術の経験知に着目し、初学者(学生)と経験豊富な対象(看護師)の吸引技術を技術、思考の両面から比較し、伝達可能な知識を抽出し初学者の技術向上に向けた新たな吸引技術の教育方法を検討することを目的としている。 これまでに、初学者を対象に一部調査を行なってきたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、初学者への調査の継続と経験豊富な対象への調査が実施できていない状況であった。2021年度も感染の動向を踏まえ調査実施に向けた調整を行ったが、実施時期の判断の難しさや対象者の安全を保障できない事などから実施を見送ることとした。新型コロナウイルス感染の収束が不透明であり、特に医療現場で勤務している看護師については、研究期間内に協力を得ることは困難であることが考えられた。このことから、研究計画を見直し、調査対象者を一部変更することとした。それに伴い、研究方法の変更と倫理審査の再申請のための準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は、2020年度に実施できなかった吸引技術の初心者である学生を対象にした調査の継続と吸引技術の経験豊富な看護師を対象とした調査の実施、調査結果の分析と考察、研究の総括を行う予定であった。 新型コロナウイルスの動向を踏まえ調査依頼の時期を見計らい調査の準備を行ったが、調査を安全に実施できる期間の選定や環境の調整、対象者との時期の調整等困難であり、2021年度も2020年度と同様に調査を実施することはできなかった。 以上のことから、遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は調査の実施、調査結果の分析と考察、研究の総括を行う予定である。 申請当初の予定では、吸引経験の豊富な対象への調査は医療現場に勤務する経験年数5年以上の看護師を予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染症の状況と調査対象者の勤務状況も踏まえ、調査対象者が安全に調査に参加できるよう調査時期を調整することは難しく、また、研究期間内に分析に必要な対象者数を確保することは極めて困難な状況が続いている。これらのことから、調査対象者を医療現場で働いている対象ではなく、看護師として経験のある対象に変更することとした。なお、初学者については、対象者の変更は行わず引き続き予定人数確保のために調査を行うこととする。 調査対象者の変更に伴い、研究方法、研究倫理の再申請が必要となる。以上のことから最終年度である2022年度は倫理審査の再申請、調査の実施、調査結果の分析と考察、研究総括を行っていきたい。 研究を遂行する上での課題として、調査対象者を変更した場合であっても、新型コロナウイルスの感染状況によっては調査が難しくなる可能性もあるため、感染対策を含めた対応策も検討していきたい。
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Causes of Carryover |
2021年度は予定していた調査を実施することができなかったため、次年度使用額が生じた。2022年度は調査を実施するため、調査対象者への謝金、調査に伴う人件費、分析に伴う人件費等を中心に支出していく予定である。
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