2022 Fiscal Year Annual Research Report
Consideration of suctioning skills education based on empirical knowledge
Project/Area Number |
17K12132
|
Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
加藤 法子 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (20330699)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 看護技術 / 吸引 |
Outline of Annual Research Achievements |
吸引は侵襲を伴う技術として位置づけら、患者の苦痛も大きい。看護師等養成所の運営に関する指導ガイドラインによると、吸引技術は演習では「モデル人形もしくは学生間で指導の下で実施できる」ことが卒業時の到達目標とされている。新卒の看護師が患者に実際に吸引を実施する場合、モデル人形で学んだ技を患者に適応させていく必要があり、その過程では不安や困難感を感じていることも多く、また、患者への苦痛が増大することが考えられる。このことから、学生がモデル人形での経験をより実践に近い技術力に高めることができれば、患者の苦痛軽減だけでなく新卒の看護師の適応過程での困難感の軽減にもつながるのではないかと考えた。そこで、本研究では①モデル人形で獲得できる看護学生の吸引技術の経験知②患者への実施を通して獲得した看護師の吸引技術の経験知の特徴と相違点を技術面、思考面から明らかにする。この中から、伝達可能な形式知として表出できる吸引技術を見出すことで、経験知に基づいた教育方法についての示唆を得ることを目的とした。なお、②については、新型コロナウイルスの影響により、看護師への調査が困難であったため、看護師経験のある看護教員を対象とした。調査は看護学生11名、看護教員3名に行い、気管内、口腔内、鼻腔内の吸引技術それぞれについて調査した。モデル人形での吸引技術の経験を積むことで、学生はカテーテル挿入に関すること(把持、持ち替え、挿入方法、困難時の対応など)や痰の吸引に関すること(貯留部位の同定、カテーテル操作)等を経験知として獲得していた。患者への実施による経験知として特徴的であったことは、気道内の状況のアセスメントや痰の吸引に関すること(性状や貯留量の推定)、カテーテル抜去時の操作などであった。これらの結果は、言語化可能なものもあることから、今後は、これらの結果を教育内容に反映可能かを検証していきたい。
|