2017 Fiscal Year Research-status Report
看護センス育成モデル構築に向けた看護センスの概念の解明と尺度開発
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17K12135
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Research Institution | Gunma Paz University |
Principal Investigator |
上星 浩子 群馬パース大学, 保健科学部, 教授 (20389745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 美佐子 足利工業大学, 看護学部, 准教授 (80412972)
堀込 由紀 群馬パース大学, 保健科学部, 講師 (00512493)
佐藤 晶子 群馬パース大学, 保健科学部, 講師 (90458472)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 看護学 / 尺度開発 / 看護実践能力 / センス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、看護センス育成モデルの構築に向け、看護センスの概念の解明と尺度開発である。研究初年度は、看護センスの概念を明らかにするために文献検討を行った。しかし「看護のセンスがある・ない」と看護場面において頻繁に使用されているものの先行文献は乏しかった。「センス」に関連する用語や「センス」に近い概念も含め、引き続き検索、検討中である。 また、臨床において「センス」という用語をどのように使用しているか、その構成要素を明らかにするために、看護管理者を対象に「看護のセンスが良いと感じた場面や人を想起し、看護のセンスを構成する要素とは何か」についてディスカッションを行った。看護センスを構成する要素として、【看護者としての知識や視点を持つ】【患者の状況や反応を情報として的確にキャッチする】【患者の発信している状況から本質を見極める】【患者の状況を統合的に分析し、問題を明確にする】【最悪の状況を見据えて行動する】【自己の考えを発信する】【創意工夫された卓越した技術を提供する】【良好な関係性の構築に結びつくコミュニケーションをとる】【共感や思いやりのある対応をする】【目的意識をもって主体的に行動する】【五感を超えた感性がある】【求められる役割以上の行動をとる】【周囲の状況を把握し、円滑な業務遂行のための行動をとる】の13カテゴリが抽出された。この結果は、第37回日本看護科学学会学術集会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
看護センスにおける先行文献を検索したが、うまく検索できず文献検討に時間を要した。関連する用語やセンスに近い概念も含め、引き続き検討をしていく。また、他分野における「センス」の概念についてヒアリングを予定したが実施できなかったため、平成30年度に実施する予定である。 また、臨床看護師が考える看護センスの概念および構成要素の探求については、看護師および看護管理者を対象にフォーカスグループディスカッションを行った。得られたデータを再度吟味し、看護センスの概念および構成要素について質的帰納的に分析し、検討していく。
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Strategy for Future Research Activity |
幅広い分野で使用されている「センス」という用語のため、ファッション、スポーツ界など他分野における対象者にヒアリングを行い、各分野におけるセンスの概念を参考にしながら包括的に構成概念を抽出する。また、看護センスは文化的背景も影響していると考え、Australiaの看護師や教育者へヒアリングを行い、国際的視点からも分析し、看護センスの概念および構成要素を抽出する。これらは尺度開発に補完的に用いる。 また、臨床看護師から得た質的分析および先行文献から看護センスの評価尺度の理論的枠組みおよび質問項目の尺度化を行う。
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Causes of Carryover |
H29年度は、専門職者のデータ収集ができなかったことやパーソナルコンピュタ―等の備品購入に至らなかったため、H30年度に実施するヒアリングのための旅費や人件費およびパーソナルコンピュターの購入に企てる予定である。 またH30年度は、国際的視点からデータ収集を行うため海外でヒアリングを行う予定である。研究分担者である堀込・佐藤も同様に平成29年度の経費を繰り越し、海外へ渡航する旅費の一部に企てる予定である。
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Research Products
(2 results)