2018 Fiscal Year Research-status Report
看護センス育成モデル構築に向けた看護センスの概念の解明と尺度開発
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17K12135
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Research Institution | Gunma Paz University |
Principal Investigator |
上星 浩子 群馬パース大学, 保健科学部, 教授 (20389745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 美佐子 足利大学, 看護学部, 教授 (80412972)
堀込 由紀 群馬パース大学, 保健科学部, 講師 (00512493)
佐藤 晶子 群馬パース大学, 保健科学部, 講師 (90458472)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 看護学 / 尺度開発 / センス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、看護教員を対象に看護学実習や演習においてセンスが良いと感じた場面や事象について調査した。“学生のセンスが良いと感じたことがある”は23名(88.5%),“ない”は3名(11.5%)であった。センスが良いと感じた場面を分析した結果、17カテゴリが抽出された。【人間関係構築のための良好なコミュニケーションができる】【他者に関心を持ち、注目できる】【広い視野で観察できる】【状況を察知し、異変を感じることができる】【先を予測した行動ができる】【一連の看護技術を手際よく、実践できる】【対象の個別性に応じた看護実践ができる】【より効果的な看護実践を行うために思考を発展できる】【他者の思いに共感できる】【周囲の状況を踏まえ、対象を配慮した自然な行動がとれる】【目的意識を持ち、主体的に行動できる】【他者の利益のために探究できる】【自分の考えを言語化し、他者へ発信できる】【他者の視点や状況を受け入れ,柔軟に対応できる】【自己を理解し、コントロールできる】【他者と協調できる】【価値を共有し、尊厳を持った行動ができる】であった。 看護教員が捉えるセンスは、対象に関心を持ち共感する、創造する、予測する、協調する、自己の考えを発信するであり、様々な要素が組み合わさり複合的に機能しているものであった。そしてセンスは、社会人基礎力や看護の専門的知識・技術をベースに「いかにより良く」という付加価値のある援助であり、対象の尊厳を保ち、喜びを共有するなど相互満足に繋がる看護援助であることが示唆された.この結果は第38回日本看護科学学会学術集会で発表した。 さらに研究を進めていくうえで「センス」という用語は日本特有の表現であることがわかり、海外における「センス」に近い概念を抽出するためにAustraliaでインタビューを実施した。この結果については分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床看護師、看護管理者、看護教員と3者を対象にインタビューを実施したことにより多くのデータはとれたものの、どこに焦点を当てるべきか目的が定まらなくなってしまった。また、国際的視野からの探索も行ったため、計画していた尺度項目の抽出に時間を要してしまった。現在、質的分析から得た看護センスの特徴をもとに理論的枠組みの構築、質問項目の作成、尺度化について再度吟味している状況であるため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
看護センスの概念、構成要素は抽出された。現在この研究結果をもとに内容妥当性を担保できる質問項目を作成し、専門者会議を経て尺度化を行っている。パイロットスタディ、予備調査を行い、尺度を完成させていく。
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Causes of Carryover |
尺度開発における質問項目の作成が遅れたため、パイロットスタディおよび予備調査に至らなかった。よって2019年度の経費に組み入れ、データ収集のための通信費および分析のためのPCや統計ソフトの購入に企てる予定である。
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Research Products
(1 results)