2017 Fiscal Year Research-status Report
学習困難学生に対する自己調整学習方略を用いた看護技術修得プログラムの開発
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17K12141
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
三吉 友美子 藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 教授 (40329701)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 学習方略 / 看護技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
看護実践力の核となる看護技術の修得は、学生時代のみならず看護師になってからも求められる学習課題である。看護技術の修得状況は学習者により個人差がみられ、修得に困難をきたす学習者が存在する。看護技術を修得するためには授業や研修時間以外の自己学習が不可欠になることから、自己学習において学習者が用いる学習方略が学習成果である看護技術の修得状況に影響を与えることが推測される。そこで、申請者は看護技術の学習方略を測定するための尺度として自己調整学習の考えに基づく「看護技術学習方略尺度」(4下位尺度からなる17項目)を作成した。本研究では、申請者が作成した尺度の信頼性・妥当性を観察法及び郵送法による質問紙調査を行い確認したうえで、学習困難学生に対する看護技術修得学習支援プログラムを開発し効果を検証することを目的とする。 平成29年度には、研究協力者とともに予備的な調査を行った。全国から無作為抽出した45の看護系大学の内、承諾の得られた12大学に在籍する947名の学生を対象に郵送法による質問紙調査を行った。調査内容は「看護技術学習方略尺度」と学生の自己評価による看護技術修得状況であった。140名から有効回答を得て分析をおこなった結果、以下について示唆を得た。①17の看護技術学習方略尺度項目の内、2項目について想定していた因子構造から逸脱したため、尺度の構成概念妥当性の再検討が必要になる。②看護技術学習方略は看護技術の修得状況に正の影響を与えていた。③看護技術学習方略の下位尺度では「情意調整」のみが、看護技術修得状況に正の影響を与えていたことから、情意調整の学習方略の使用を促す看護技術修得学習支援プログラムが有用である。④回収率が14.7%と低かった要因として、看護技術修得に関する質問項目が多かったことがあげられることから、看護技術修得状況に関する質問項目の再検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度の研究実施計画では、「看護技術学習方略尺度」得点と看護技術の修得状況との関連を明らかにするために調査1と調査2を行う予定であった。 調査1では、全国の看護師学校養成所(大学、短期大学、専門学校)300校を対象にする自記式質問紙を用いた郵送調査を計画していた。実際は大学のみを対象とした予備的調査の実施に留まった。その理由としては、大学を対象にした調査においての回収率が低かったことから、看護技術修得状況の測定方法を見直す必要性が生じ、それに時間を要したためである。 調査2では、看護技術の修得状況を観察法で把握し、看護技術学習方略との関連を検討する計画であったが、予備的にA大学における看護技術試験の合否の結果と看護技術学習方略尺度得点との関連を日々の教育活動の中で検討するに留まった。その結果、学生がどのように看護技術を学んでおり、そのことが成果に繋がっているのかを、質的に検討する必要があると考えるに至った。そのため、平成30年以降の計画に修正を加える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度の研究実施計画 ①Web上で「看護技術学習方略尺度」に回答すると即座に結果と看護技術学習上の課題を学習者に提供できるプログラムを作成する(交付申請書どおり)。②看護技術修得状況を把握するための質問紙を作成する(平成29年度の結果を受けての追加)。③平成29年度に予定していた調査1を実施する。対象者:全国の看護師学校養成所(大学、短期大学、専門学校を含む。以降、学校養成所と記す)から無作為抽出した300校に研究協力を依頼し、承諾の得られた学校養成所に所属する2,000名程度の3年次学生。調査方法:自記式質問紙を用いた郵送調査を行う。調査内容:看護技術の修得過程で用いる学習方略と看護技術の修得状況、属性。学習方略は、申請者が作成した「看護技術学習方略尺度」(三吉,2015)を用いて調査する。看護技術の修得状況は上記②の検討を経て作成した質問紙を用いる。分析方法:「看護技術学習方略尺度」の信頼性・妥当性を再確認した後に、看護技術修得状況との関係を重回帰分析を用いて検討する。④「看護技術修得学習支援プログラム」の作成に向けて検討する。交付申請書の平成30年度の研究実施計画の②への追加内容である。具体的には、看護技術の技術チェックまたは技術試験を経験した看護学生10名ほどに半構成的インタビューを行う。インタビュー内容は、看護技術をどのように学習したかであり、看護技術修得過程で用いる学習方略を学生の語りから明らかにする。そして、看護技術を修得している学生と修得していない学生では用いた学習方略に違いがあるのかを検討する。さらに、「看護技術学習方略尺度」への回答を求め、尺度への回答がインタビューで語った学習方略を反映したものであるのかを検討する。
平成31年度の研究実施計画(交付申請書どおり) ①Web上で公開したプログラムに対する評価 ②「看護技術修得学習支援プログラム」の効果検証
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Causes of Carryover |
予備的調査段階に留まったため、交付金を用いる調査まで至らなかった。平成29年度に予定していた郵送法による全国調査を平成30年度に実施する予定であるため、平成30年度に使用することにした。
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