2018 Fiscal Year Research-status Report
学習困難学生に対する自己調整学習方略を用いた看護技術修得プログラムの開発
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17K12141
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
三吉 友美子 藤田医科大学, 保健学研究科, 教授 (40329701)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 看護技術 / 学習方略 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は研究協力者とともに、下記の調査を行った。 4月~9月に大学で基礎看護学を学ぶ学生のうち同意が得られた12名に対して「看護技術試験に向けてどのように学習方略を用いたか」について語ってもらう半構造的インタビューを行った。インタビューの内容は参加者の同意を得てICレコーダーに録音し、逐語録を作成した。その内、血圧測定に絞り看護技術試験が不合格であった学生が使用していた学習方略を抽出し意味内容の類似性・相違性を検討してカテゴリー化した。 結果を次に示す。参加者は全員女性であった。40のサブカテゴリーと12のカテゴリーが抽出された。以下、カテゴリーを[ ]で示す。抽出された12のカテゴリーは、[技術を正確に行うための人的資源の活用]や、[目的に応じた物的資源の活用/不活用]、[根拠を理解するための学習]、重要と感じていた部分を意識したかどうかにかかわらない[一通りの流れを重視した学習]があった。また、[空いた時間を利用した部分的に行う効率の良い学習]や、[学習の計画と修正]、[試験に対する学習を継続するための情動調整]、[技術を修得するための授業の復習]があった。さらに、技術を正確に実施していると勘違いしたまま行う[自己評価の甘さによる誤った技術が改善されない学習]や、改善に至ったかどうかにかかわらず繰り返した練習や友人との学習を行う[難しいと感じた動作に対する学習]もあった。他には、[試験状況の想定と試験条件に基づく/基づかない学習]や、[教員によって異なる指導内容への対策]といった試験の合格に焦点を当てた学習もあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度に実施した予備調査により、量的な検討だけでなく質的検討の必要性が明確になった。そのため、平成30年度は、量的な調査(質問紙調査)の準備期間として、予備的検討して看護技術の学習方略を質的的に検討を行った。そのため、予定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降、下記1~3を実施する。 1.研究計画書に示す調査1(「看護技術学習方略尺度」得点と看護技術の修得状況との関連を明らかにする)を実施する(量的な検討)。 2.平成30年度のインタビューデータの分析をすすめ、効果的な学習方略を質的に検討する。 3.研究計画書に示す③看護技術修得学習支援プログラムを考案し効果を検証する。
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Causes of Carryover |
平成30年度に予定していた質問紙調査を次年度に実施することになったため、平成30年度に予算分の多くを次年度に使用する予定である。
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