2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research on visiting nurses' measures to prevent exposure to anticancer drugs
Project/Area Number |
17K12153
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
杉山 令子 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (80312718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 範子 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (10222944)
佐々木 真紀子 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (40289765)
長谷部 真木子 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (60241676)
工藤 由紀子 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (20323157)
菊地 由紀子 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (40331285)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 抗がん薬 / 職業性曝露 / 曝露防止策 / 訪問看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
曝露防止策指針案の作成:2017年の訪問看護師204名の質問紙調査で得た、訪問看護における抗がん薬曝露の機会などの状況を踏まえ、以下の内容の曝露防止指針案を作成し、訪問看護師数名と妥当性を検討、修正した。【1.抗がん薬曝露による健康影響、2.曝露の機会、3.訪問看護における抗がん薬曝露防止策(曝露低減の基本、防護具・物品、携帯ポンプ持続注入の場合、薬剤の保管、経口薬服用の場合、経管与薬の場合、坐薬や軟膏の場合、薬投与後48時間までの排尿排便の方法と介助、吐物の処理、汚れた衣類や寝具の洗濯、抗がん薬漏れこぼれ付着の場合、抗がん薬曝露された場合)】 指針案の評価:2019年12月に同意が得られた79施設(1施設2名)の訪問看護師へ、作成した指針案と指針案評価の調査票を送付し、56名から評価の回答を得た(有効回答率35.4%)。指針案のほとんどの項目は参考になると評価されたが、防護具・物品に関しては、防護具の厚さや代用品の紹介を求める回答が得られた。 訪問看護において防止策を講じられない理由:2017年の質問紙調査で自由記述の回答を得た。多く挙げられたのは、抗がん薬曝露の知識や防止策を知る機会が少ないこと、防護具や物品購入の経済的負担が大きいこと、家庭内で防護具を使用することへの躊躇、病院と連携が難しいため曝露に関する一貫した説明や防止策が実施できない懸念であった。 訪問看護師の抗がん薬曝露の低減には、抗がん薬の曝露影響・防止策の情報がまずは重要であるため、今回作成した曝露防止指針案を修正し公表したいと考える。一方で訪問看護の現状として、防止策を実行するには、訪問看護師だけでは解決困難な課題が残されていることが明らかになった。曝露防護具の費用助成のための取り組み、病院における患者と家族への曝露防止策の説明と訪問看護ステーションとの情報共有などの検討が重要であることが考察された。
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