2020 Fiscal Year Research-status Report
北海道の中高層住宅で暮らす避難行動要支援者の安全な在宅避難生活システムの確立
Project/Area Number |
17K12162
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
工藤 京子 札幌市立大学, 看護学部, 講師 (80452994)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 在宅避難 / 避難行動要支援者 / 中高層住宅 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、北海道の中高層住宅で暮らす高齢者や障がい者などの避難行動要支援者が、大規模地震発生時に安全な在宅避難ができるためのシステムの確立である。令和2年度は前年度に実施できなかった札幌市内の中高層住宅に住む難病患者に北海道胆振東部地震時の状況と防災への備えのインタビュー調査とマンションにおける在宅避難についての講演会開催を予定していた。 実際に実施したことは、前年度分析した難病団体の胆振東部地震時における体験結果を、機関誌「なんれん」No.125に掲載し、北海道内の難病患者の方々に周知した。そして、個別に質問や意見に対応した。胆振東部地震の記憶が薄れてきた中、刺激になったこと、簡易トイレについては見直したいという意見が聞かれた。 インタビューについては、新型コロナウイルス感染の状況が収まらず、方法の検討段階で終わった。講演会もオンライン開催を考えたが、結局実現には至らなかった。 実際の在宅避難に対する研究の動向を調査したところ、各自治体での取り組みは行われているものの、研究としてはほとんど行われていない現状が明らかとなった。また、安全な在宅避難生活という視点で先行研究を調べた結果、国土交通省の平成30年度マンション総合調査結果(平成31年4月公開)によると、旧耐震基準のマンションはまだ91万戸もあり、その世帯主の47%は70歳以上の高齢者であるということが明らかとなった。札幌においても、札幌市都市局市街地整備部住宅課の「札幌市分譲マンション管理実態調査(平成28年)」によると、築25年以上のマンション381中、42.5%の162が築40年超であったことから、住んでいるマンション自体の耐震基準が問題という現状もあり、安全な在宅避難を考える上では課題であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染状況から、インタビュー調査や講演会開催が行えなかった。 電話やオンラインでの調査に向けて、情報収集や必要物品の手配などを進めたが、感染拡大が進んでしまい、実現できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
感染が収まってきたタイミングを逃さずに、いつでも行えるよう準備をする。また、対面かオンラインでのインタビューが望ましいが、状況を考えて電話での実施とすることを考えている。そのため、再度協力者に説明をし直して、配慮していく。また、今回明らかになった耐震基準の点もあわせてインタビューしていきたいと考える。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染状況から、インタビュー調査の実施がかなわず、講演会の実施もで着なかったことから、それらに関わる謝金などの費用が執行できていないため。また、学会や研修会もオンライン開催となり、旅費も執行していないため、研究機関での実施でまかなえた。
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