2022 Fiscal Year Annual Research Report
stablishment of a safe at-home evacuation life system for people in need of evacuation assistance who live in middle- and high-rise housing in Hokkaido
Project/Area Number |
17K12162
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
工藤 京子 札幌市立大学, 看護学部, 講師 (80452994)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 在宅避難 / 避難行動要支援者 / 中高層住宅 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は北海道の中高層住宅で暮らす高齢者や障がい者等の避難行動要支援者が、大規模地震発生時に安全な在宅避難ができるためのシステムの確立である。 2019年度は、2018年9月に発生した胆振東部地震から、当時、集合住宅に住んでいた難病・障がい者への実態調査を分析した。最も困難だったのは、停電と断水による飲料水の確保とトイレの問題であった。停電により人工呼吸器や酸素濃縮器以外にも、電動ベッドや車いす、エアーマット、吸引器等、多くの医療機器が停電により影響を受けていた。この地震後に、札幌市は要配慮者避難所(福祉避難所)設置・運営ガイドラインの作成と福祉避難所候補施設名を一般に公表した。 2020年から21年度にかけては、新型コロナウイルスの感染状況が収まらない中、先行研究の確認を行った。各自治体では感染対策を考慮した避難所の検討が考えられていたが、実際に起きた豪雨災害では避難してきた人を入れざるを得ない状況であった。また、旅館を避難所として使用したり、避難所には行かずに自宅で待機した住民が多かったということから、新型コロナウイルス感染症に伴う外出自粛という点で、災害時においても在宅避難を選ぶ人が増えた可能性が示唆された。 2022年度は、胆振東部地震と新型コロナウイルス感染症を経て、実際に災害時の在宅避難に関して避難行動要支援者がどのように考えているのかを電話にて調査した。やはり避難所に行くことでの感染を心配し、自宅に留まるという気持ちが強くなっていた。これは電気が2日で回復したという経験が裏付けとなっていた。しかし福祉避難所が公表されたことから、一次避難所に行けば福祉避難所につなげてもらえると解釈している人もいたため、今後も継続的に安全な在宅避難の重要性を伝えていくことは必要であるといえる。在宅避難に関する講演会の開催は、感染状況から実現には至らなかった。
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