2019 Fiscal Year Research-status Report
看護師長・主任のコンピテンシーモデルと尺度開発による看護管理の質の指標化・共通化
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17K12173
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Research Institution | Hokkaido Bunkyo University |
Principal Investigator |
井上 仁美 (小野坂仁美) 北海道文教大学, 人間科学部, 教授 (70284403)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 看護中間管理職 / 看護師長 / 主任 / コンピテンシー / 能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、本研究者がすでに実施し知見を得られている1看護単位の看護師長(看護中間管理職)についてのコンピテンシーの因子である【マネジメント】、【スタッフ育成】、【患者・家族支援 】、【率先行動】、【プロジェクト】、【リーダーシップ】、【影響力】、【困難対応力】、【スタッフ支援】の9因子と臨床現場における問題との関連性について文献検討を行った。 CINII、医学中央雑誌で「看護中間管理職」「臨床」「問題」「能力」「コンピテンシー」を組み合わせて検索を行い、その結果、中堅の中間看護管理者がとらえる人材育成に関する問題として、【人を育成する方針や体制がない職場の環境】には【マネジメント】、【スタッフを看護専門職として育成することが困難】に対しては【スタッフ育成】、【スタッフの個別性に対応した人材育成をすることが困難】に対しては【スタッフ支援】がコンピテンシーとして対応することが明らかとなった。 また、主任職のコンピテンシーについては、主任としての臨床における十分な経験知が重要な意味をもち、看護師が臨床で「気づき」「解釈」し、実践につなげていく思考過程と技術および臨床実践が求められていることが明らかとなった。これらの臨床判断能力(コンピテンシー)は、経験知に基づくすみやかな直観的思考、科学の知に基 づく分析的、論理的思考、経験から新たな概念を創出する省察的思考の3つを往還的に繰り返され、周囲の看護スタッフや学生のモデルとなり育成することや内的動機づけを高めることになると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度については、教育活動および学校運営についての業務に重点が置かれたこと、2020年に入ってから新型コロナウイルス感染症による研究活動の中断によって遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、本研究課題における最終年度となるため、本来の研究目的である研究課題に取り組む所存であるが、現在、新型コロナウイルス感染症により研究フィールドである臨床現場に負担をかけることがないよう配慮が必要であると考えられる。 そのため、さらなる文献検討などを行いながら、有効な知見が得られるよう質問紙を精査し調査研究の精度を高めるよう準備していく。
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Causes of Carryover |
2019年度については、文献検討を中心に質問紙調査の準備を行っていたため、2020年度に全国規模の無作為抽出による質問紙調査を実施する予定である。そのため、次年度に翌年度分として請求した助成金と合わせて使用する計画である。
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