2020 Fiscal Year Research-status Report
看護師長・主任のコンピテンシーモデルと尺度開発による看護管理の質の指標化・共通化
Project/Area Number |
17K12173
|
Research Institution | Hokkaido Bunkyo University |
Principal Investigator |
井上 仁美 (小野坂仁美) 北海道文教大学, 人間科学部, 教授 (70284403)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | コンピテンシー / 看護師長 / 主任 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、調査対象の病院はコロナ禍の対応に追われている状態で、調査を依頼することができなかったため、主に関連文献の再検討を行った。また、これまで得られたデータの見直しと先行研究との比較検討を行った。 関連する文献では虎の門病院看護部が作成した看護管理者に関するコンピテンシーは、6群16項目で構成されており、特に、本研究で過去のデータにより抽出された【自己確信】は虎の門病院看護部が行った先行研究においても同様の概念が抽出されていることが、わかった。「自己確信」の高い看護管理者はチーフナースとして伸びていることが明らかであり、「自己確信」は欠かせないコンピテンシーであることが示唆された。 また、これまでの本研究で得られた【自己学習】すなわち、「現実を直視」して「自らの体験を言語化」し、「失敗を認識する」過程のなかで「体験から振り返る」という行動は、管理者としてのコンピテンシーを伸ばすための方法として活用可能であることが示唆された。 先行研究との比較でこれまでの本研究では抽出されなかったコンピテンシーとしては、虎の門病院の研究でも【組織へのコミットメント】があげられていた。本研究においても【組織の理解】は確認できたが、特に情緒的コミットメントは抽出されなかった。臨床経験年数別に看護職員の情緒的コミットメント尺度を用いた調査を行った研究では、臨床経験5年以上では「看護部の理念や目標に共感している」や「病院の看護の質が高いこと、評判の良い病院であること」ということが情緒的組織コミットメントと有意な相関にあることが示唆されていることがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度は年度当初より、新型コロナウイルス感染症拡大により大学での講義・実習などの教育活動の変更を余儀なくされたことによる業務多忙の状態が続いたことや調査対象の病院でもコロナ禍の対応に追われている状態で、調査を依頼することができなかったため、研究の進捗は遅れている状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度にあたるため、病院の看護師長および主任を対象とした調査を実施し、研究目的に沿った知見を得るよう努力する予定であるが、依然として新型コロナウイルス感染症の拡大が懸念される状況のため、調査方法を調査対象者の負担にならない方法で行う予定である。具体的には、ネットを使用した調査を実施するなどを検討し、研究を推進していく予定である。
|
Causes of Carryover |
昨年度は、新型コロナウイルス感染症拡大による教育活動の業務多忙および調査対象となる病院でも調査の受け入れが難しかったために、研究活動を行うことが全くできない状況であった。 今年度は、調査方法を工夫して行うことなどにより研究が推進できるよう計画している。 たとえば、ネットを使用した全国規模の調査を行う予定である。
|