2018 Fiscal Year Research-status Report
看護師のキャリア支援のためのトラジション理論に基づいた状況特定理論の開発
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17K12178
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
高桑 優子 目白大学, 看護学部, 客員研究員 (40738241)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 中期キャリア / トランジション / キャリア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では看護師がどのようなトランジション(移行)のプロセスを経てキャリアを継続しているのか、また、トランジションに必要な支援とはどのような事なのかについて、Meleisのトランジション理論の理論枠組みを用いて解明することを目的とし、2017年度【研究1:中期キャリア看護師の「トランジション状況」を明らかにするために質的帰納的に分析する】の結果として、中期キャリア看護師のトランジション状況は8カテゴリーが抽出され、これらの抽出されたカテゴリーは、《個人》、《コミュニティ》、《ジェンダー》の単一のトランジション状況だけでなく、複数のトランジションに関与している構造が示された。2018年度は、この結果をまとめ、第22回日本看護管理学会学術集会及び第22回EAFONSで発表し、医療看護研究(15(1)2018)に論文を掲載した。 また、2018年度は研究2として、研究1で明らかになった中期キャリア看護師の「トランジション状況」のカテゴリーを下位概念、サブカテゴリ―を質問項目とする、中期キャリア看護師のトランジション状況自己評価尺度(TCSAS)を作成し、その信頼性・妥当性を検討したと同時に、試作した中期キャリア看護師トランジション状況自己評価尺度を試用し活用可能性の検討するために、35歳から45歳の女性看護師600名に自記式無記名質問紙調査を実施、郵送法で回収し、319名から回答を得、300名を分析対象とした。その結果、尺度原案の構成概念は、探索的因子分析により23項目6因子で構成され、併存妥当性、信頼性も確保された尺度であるといえた。また、6の下位尺度は看護師のトランジション状況の本質、反応のパターンに弁別力を持っており、キャリアの転換期である中期キャリアの看護師が自己のトランジション状況を知ることができ、キャリアの支援となる尺度が作成でき、成果を得たといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の研究の概要のとおり、当初の研究計画に基づき、2018年度は「トランジション状況」の質的帰納的分析からキャリアの支援となる自己評価尺度の作成及びその尺度の活用可能性の調査を終えることができた。その活用可能性が示唆された研究結果が出たことで、おおむね研究がまとまったと言える。作成した尺度の具体的な活用方法や得られたデータの再分析、研究成果の発表が残された課題となり、順調に研究が進行しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は①研究2-1について論文の学会発表を準備する。10月:学会誌に投稿(日本看護科学学会)、11月30日~12月1日:第39回日本看護科学学会発表。2月28~29日:第6回世界看護科学アカデミーで発表 ②尺度の具体的な活用方法についての検討を行う。自己評価可能な尺度の形態について自己評価可能な尺度の基準値について2018年度のデータを使用し検討を行う。
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Causes of Carryover |
おおよそ予定通りの進行状況であり、次年度使用額が生じたのは誤差程度であると考えられる。次年度は論文発表(国内・海外)やその後の研究が継続的に行われるように計画していく予定である。
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Research Products
(3 results)