2018 Fiscal Year Research-status Report
看護系大学教員の医療安全教育力向上プログラムの開発と出前講義システムの構築
Project/Area Number |
17K12186
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Research Institution | Health Science University |
Principal Investigator |
小林 美雪 健康科学大学, 看護学部, 准教授 (30389978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 宏美 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (30243083)
寺井 美峰子 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50574521)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 医療安全教育力 / 看護教員 / 看護系大学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、看護系大学教員の医療安全教育力向上のための研修システムの構築を目的としている。昨年度は教育内容と方法について、看護学生および医療安全系学会に参加した看護教員および臨床の看護職への調査を行った。今年度は看護系大学の学科長および看護教員への医療安全教育の現状把握の調査を行った。学科長対象の調査項目は、設置主体、医療安全管理の教育方法、教員の専門領域、教授内容、医療安全の教育・研修歴、教員への医療安全教育の必要性と方法等であり、回収率は17.8%であった。主な結果として、安全教育の教授方法は単科22.7%、主科と複数科45.4%、複数科31.8%であった。教員の専門領域は基礎看護学、看護管理学、成人看護学の順に多く、教育・研修歴は38・5%が未経験であり、研修内容は看護師従事時の受講経験と考えられ、最新の安全知識の獲得は十分でないことが推察された。教員への安全教育の必要性では54.5%が必要と回答し、理由として教員間の格差、系統的で定期的な研修の必要性、最新の知見の獲得等を挙げていた。必要ないとの回答では、附属病院の研修への参加、医療安全を専攻する教員の活用等を実施していた。この結果を受けて看護系大学教員への調査を実施し、現在集計中である。 さらに、今年度も引き続き医療安全系学会での医療安全教育についてのパネルディスカッションおよびワークショップを開催し、看護教員、看護師とのディスカッションを行った。参加者から医療安全教育の課題として、「教育と臨床の話し合いの機会や時間がない」「教育と臨床現場の乖離がある」「看護学生も新卒看護師も基礎教育での医療安全の学び方がバラバラで対応が難しい」「医療安全のカリキュラム上の位置付けや教育の標準化がされていない」等の意見があった。今後、看護教員と臨床看護職が共同して継続的に医療安全教育力の向上に取り組むシステムを構築したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画における講義システムおよび先進校への視察については、医療安全系学会におけるシンポジウムやパネルディスカッションへの医療安全教育を先進的に行っている教育機関および医療施設の講師を招聘し、研究者だけでなく広く看護教員と臨床看護職での知見および課題の共有という、さらに進んだ方法にしている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後さらに看護系教育機関と臨床看護師が共同して医療安全教育力の向上のためのシステムを構築する。国内の医療安全に携わっている看護職が関心を示し始めているため、研究を発展させて行きたいと考える。
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Causes of Carryover |
研究計画において医療安全教育の先進教育機関への視察を計画したが、シンポジウムやパネルディスカッションへの講師招聘という方法に変更したため研究者および研究協力者の旅費使用が不必要となった。今後、医療系学科での教育研修の際の施設使用料や企画費が必要である。
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Research Products
(4 results)