2017 Fiscal Year Research-status Report
主任看護師による人材育成行動の自己点検ツールの開発
Project/Area Number |
17K12187
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
嶋崎 和代 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (70611424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 勝正 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (60194156)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 主任看護師 / 人材育成 / 自己点検 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では看護管理者のうちの主任看護師に着目し、スタッフ看護師を育てるための行動を自ら振り返り、よりよい人材育成のために活用できる自己点検ツールの開発を目的とする。29年度は文献検討および主任看護師へのフォーカスグループインタビュー(以下FGIとする)による自己点検ツールの原案の作成までを目標とした。 まずは主任看護師の人材育成に関する文献検討を行った。その結果、主任看護師が認識している自己の役割やスタッフの育成の上で抱える困難などが明らかになった。文献検討の結果をふまえ、FGIでの質問内容を①主任になってから人材育成のために実際にしている行動、②スタッフナースとして働いていた時に主任から受けた支援・指導で自己の成長につながった経験、③スタッフナースの育成の上で重視していること、の3つに設定した。 次に、機縁法により紹介を受けた3病院に勤務する主任看護師を対象にFGIを実施し、設定した3つの質問項目について参加者全員に意見を求めた。FGI参加者は1病院2~7名の3グループ14名であり、各病院ごとにFGIを1回ずつ実施した。参加者全員の回答に要した時間は40~90分間であった。参加者の殆どが新人看護師の指導および臨地実習指導の経験を有していた。主任看護師が人材育成のために実際にしている行動には、多様なロールモデル行動を示すこと、スタッフの成長につながる機会を積極的に作ることなどが含まれていた。 FGIの逐語録から得られた328のコードは約50のサブカテゴリに分類され、各サブカテゴリを代表する88項目にまとめられた。これらの項目についてさらに研究者間で議論を重ね、53項目の自己点検ツール原案を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献検討およびFGIデータの分析結果に基づき、自己点検ツール原案の作成まで完了している。この原案について内容妥当性の検討を行い、項目の最終的な修正・精選を進めている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
30年度は、29年度に作成した自己点検ツール原案を用いて、看護師の人材育成に関する専門家パネルを対象としたデルファイ調査を実施する。自己点検ツール原案の各項目について主任看護師の人材育成として重要と考えるかどうかを5段階で尋ね、計3ラウンド実施する予定である。 また、デルファイ調査の結果を自己点検ツールを使用する当事者の主任看護師に提示し、デルファイ調査の結果について同意できるかどうかを尋ねる。 これらの結果をふまえ、さらに自己点検ツール原案の項目を見直し、完成を目指す予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) ノートパソコン等の物品費、インタビューに関する人件費・謝礼、資料文献複写費用・フォーカスグループインタビューの逐語録作成委託費などのその他の費用が予定した金額よりも下回ったため、予算が未執行となった。 (使用計画) 30年度はデルファイ調査のための調査用紙作成、郵送費、デルファイ調査参加者への謝礼およびデータ分析のための統計ソフト購入等に充てる予定である。また、情報収集のための国内・海外学会への参加も予定している。
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