2017 Fiscal Year Research-status Report
ケアミックス病院における看護管理の構築 機能分化に対応できる教育プログラムの開発
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17K12191
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Research Institution | University of Human Environments |
Principal Investigator |
永坂 和子 人間環境大学, 看護学部, 講師 (50780144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 奈佳子 人間環境大学, 看護学部, 教授 (30178032)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ケアミックス病院 / 看護管理 / 病院経営 / 地域包括ケアシステム / 教育プログラム / 機能分化 / 地域医療構想 |
Outline of Annual Research Achievements |
<研究1>テーマ:ケアミックス病院の看護管理に関する文献の動向 【目的】研究の目的は、ケアミックス病院に関する文献の動向を検討し、ケアミックス病院の看護管理に役立てることである。【方法】ケアミックス病院に関連する文献を医学中央雑誌Web版、CiNii、最新看護検索等の国内文献で検索した。キーワードは、「ケアミックス病院」等で検索した。発表された原著論文、総説、会議録等の全ての文献を対象とし、年代・内容別で分析した。【結果】2003年~2016年までに50件あった。特に2014年~2016年は78%占めていた。2003年より診療報酬改定、専門特化、2005年では経営改善、2006年療養病床変換、2009年連携強化、2012年地域包括ケア病棟新設、2015年看護管理、放射線治療装置導入、後方支援等へと変遷していた。内容では、看護管理、診療報酬改定、地域包括ケア病床転換、DPC増収、経営のための選択、専門特化等の順に多かった。また、ケアミックス病院の運営では、診療報酬改定の対応策、病院機能の専門への特化の3つのタイプに分けられた。また、看護管理の視点では、教育体制整備、ケアミックス病院のアピール、地域の実情に合わせたPFM、経営改善への意識の4つに分類された。【考察】ケアミックス病院の看護管理では、病院経営への参画、PFM作り、看護師教育、地域包括ケア病棟等への病床変換等を構築し、地域住民への支援としても地域の中で中心的な役割を担っていることが伺えた。しかし、ケアミックス病院の定義やケアミックス病院に関する病院運営や看護管理については明らかにされていない。今後、地域医療構想が進む中、診療報酬改定に伴ってケアミックス病院への転換が予想される。地域の最適化をめざし、ケアミックス病院運営としての看護管理のPDCAサイクルをどのように回していくかを調査することが課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究1が終了した。研究2としてインタビュー調査を昨年度末までに行う予定であった。しかし、研究2のインタビュー調査における計画書を研究倫理委員会に提出したが、承認に3カ月半かかった。そのため、インタビュー調査が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究2:ケアミックス病院のマネジメントを構成する要素を抽出する質的分析 1)研究デザイン:質的帰納的研究,2)対象:ケアミックス病院の理事長または院長、事務長、看護部長等の病院管理者8名。3)方法:半構造化面接ガイドより対象者にインタビューをする。面接は、対象者の同意4)分析:逐語録よりベレルソンの内容分析の手法を参考に分析、研究3:ケアミックス病院のマネジメントに関する教育項目と達成度についての調査、1)研究デザイン:量的記述的研究2)対象:文献より得た全国のケアミックス病院の院長・事務長・看護部長またはその同等管理者100名3)方法:ケアミックス病院の管理者(理事長・院長・事務長・看護部長)に合意を得ることを目的としているため、デルファイ法を用いる。研究2より抽出されたマネジメントを構成する要素を郵送にて質問紙調査を3回行う。研究4:ケアミックス病院管理者を対象とした医療・介護マネジメント教育介入プログラムの実践と検証1)対象:A県ケアミックス病院200床以下の管理者(院長・事務長・看護部長またはその同等管理者)40名2)実施方法:職場に支障を来さないように4か月間で全4回行う。予備として2回ずつ行う計画である。3)データ収集:教育項目の到達度を研修前、研修後で調査する。4)分析:参加者の介入前後を比較し、Willcoxson検定を用いて比較する。
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Causes of Carryover |
昨年度は、研究倫理審査の承認が遅く、年度末にやっと承認が得られた。インタビュー調査は、昨年度に行う予定であったが、行えなかったため、交通費・インタビュー調査依頼に関する郵送等の費用・印刷・インタビュー内容のデータ入力整理に関する出費がなかった。今年度、インタビュー調査を行うため、昨年度に使用する予定金額を使用する計画となる。
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