2017 Fiscal Year Research-status Report
災害初動における臨床看護師のコンピテンシー開発及びオンライン学修支援環境の構築
Project/Area Number |
17K12198
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
堀内 美由紀 畿央大学, 健康科学部, 教授 (60453148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松葉 龍一 熊本大学, 教授システム学研究センター, 准教授 (40336227)
宮崎 誠 畿央大学, 教育学部, 特任助教 (60613065)
長岡 千香子 熊本大学, 教授システム学研究センター, 特定事業研究員 (90749839)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 災害看護コンピテンシー / 学習コミュニティ / eポートフォリオ / オンライン教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年4月末,カナダ,トロントで開催された世界災害医学会において,本研究デザインに関する報告を行い,他国の臨床看護師や研究者と意見交換を試みた。災害看護のオンライン学習に対する意見は賛否両論であったが,学習の積み重ねの方法としてのeポートフォリオや学習内容の共有を可能にする学習コミュニティには多くの参加者から肯定的な意見を得た。オンライン教材に対する否定的な意見はベテラン世代の(看護師)におけるスマートフォンやPCの普及率が低い国の状況,個々の意欲に任せる不安定性が挙げられた。日本国内におけるスマートフォン,タブレット,PCの普及率は本研究プロジェクトに十分対応できるものと考えるが,個々の意欲に委ねる不安定さについては検討の余地があるため,所属先のサポートなどのシステムは重要と考えられる。 7月には県内医療機関に勤務する看護職者を対象とした『災害初動に関わる看護師に求められるコンピテンシー』に関するワークショップを開催し,彼女らが考える「災害看護に必要なコンプテンシー」が,WHOやICNが報告している災害看護コンピテンシーとほぼ重なることが確認された(日本災害看護学会で報告)。ワークショップの中で「学習不足」とされた「支援側である看護師のメンタルヘルスとその管理」および「学習の方向性」に関する研修会2回を2018年1月と3月に開催した。研究会の内容については,動画に収録,現在,教材として編集作業中である。同時に,先行研究およびワークショップ参加者の意見を資料として,地域特性を踏まえた災害看護に関わる看護師に求められるコンピテンシーを具体的な行動目標として言語化する作業を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の成果物として開発を予定している災害看護に関する学修支援システムや教材の試用に対する協力者のリクルート(内諾の取り消しが2件)が進んでいない。組織として参加協力するには様々なハードルがある。具体的には,看護部だけで決定できないなどである。協力には,他職種も含むことを条件と挙げる施設や医局や事務局の承認を得ることが容易ではない施設など様々である。現在,既存のネットワークや看護協会の協力を得て,リクルート方法の再検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
ワーキンググループの結成とチームメンバーとのディスカッションの機会を増やしていく(現在は平均2回/月)。有識者からのヒヤリングや基礎看護教育のカリキュラムとの照合,臨床看護師の声を反映したオンライン教材,および,災害看護の学修状況を評価するためのルーブリックの開発,到達目標としての具体的な「コンピテンシー」の検討を進める。国際学会での報告/意見交換も有効な推進方策と考える。学会誌への投稿も計画している。
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Causes of Carryover |
コンピテンシーの抽出と妥当性の検証に当初より時間を要しており,コンピテンシーの確定を前提条件として進める予定のルーブリックや教材開発が今年度に持ち越しとなった。現在,教材デザインを進めているところである。
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Research Products
(2 results)