2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of a program for an improvement of healthy problem-solving skills with reflecting on school nurse experience based on the management plan for the school health room.
Project/Area Number |
17K12202
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
小柳 康子 福岡大学, 医学部, 教授 (70353175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 広枝 兵庫大学, 看護学部, 教授 (60380383)
池田 佐知子 西九州大学, 看護学部, 准教授 (70640275)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 保健室経営計画 / 養護教諭のリーダーシップ行動 / 組織学習 / 困難 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は養護教諭の保健室経営計画に基づく実務経験を学びとして健康課題解決力を向上させるプログラムを開発・実践し、その有効性妥当性を検証することである。まず、基礎固めとなる研究は、課題解決型の保健室経営計画を作成し、先駆的な実践をしている養護教諭にインタビュー調査を実施して質問紙を作成し、学校長等に対する調査の結果、課題解決型の養護教諭のリーダーシップ行動を明らかにした。その結果、養護教諭のリーダーシップ行動は、「課題への働き掛け力」「組織参加協力度」「協調力」「コミュニケーション力」から構成されることを明らかにした。令和2年度は、この研究を踏まえて、組織学習力と養護教諭のリーダーシップ行動の関係を明らかにした。共分散構造分析の結果から、校長の対話力の向上が、組織の改善力と組織の教育力、また養護教諭のコミュニケーション力を高めるという仮説が構築できた。さらに、養護教諭のコミュニケーション力の向上によって、養護教諭の情報収集発信力や養護教諭の協調力の向上をもたらす可能性が示唆された。 しかし、その仮説をデータによってさらに検証する課題が残された。当初の計画では、令和2年度に保健室経営、特に救急処置、健康相談、組織活動について困難をきたした事例についてアンケート調査を実施する予定であった。調査票作成のために、この項目に関する養護教諭、学校長、学校医、地域の児童福祉司などに対するインタビュー調査を行う予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染症拡大により、インタビュー調査の許可が延期となり、調査票作成が制限され、全国調査もこれに伴って延期となった。また、養護教諭資質向上プログラムは対面による研修形式で実施し、その有効性を検証する予定であった。この対面のプログラム研修については計画を見直す必要性が生じており、再検討している状態である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
保健室経営計画を作成し、困難な健康課題について取り組む事例や連携先について、養護教諭、校長並びに地域の保健所の児童福祉司や学校医等にインタビュー調査を実施する計画であり、さらに、その結果を踏まえて全国調査の調査票を作成し、全国調査を実施する予定であった。当初予定していた学校医や地域の保健所における児童福祉司等に対するインタビュー調査は、予防接種率の向上によって、新型コロナウィルス感染症の拡大状況が落ち着くのを待つ予定であった。しかし、状況は改善せず、感染拡大が落ち着くまで、調査を延期した。これが研究が遅れた一つ目の理由である。今一つの理由は、養護教諭の資質向上のための研修プログラムを計画していたが、対面で多数集合するプログラムであったため、感染症予防の観点から、計画を変更する必要が生じたことがある。以上のように、感染症の終息を待って実施をする予定であったが、第三波、第四波など先が見えない状況となり、研究の進捗状況はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方法は、次の2点を予定している。第一は、実施計画を見直し、インタビュー調査結果から調査票を作成するには、時間が不足するため、全国調査の実施一本にする計画へと見直したい。これにより、インタビュー調査による全国調査の遅れは回避できる。また、全国調査結果の検証として、年間を通してインタビュー調査実施の時期を検討することが可能になる。第二は、養護教諭の資質向上プログラムを対面で実施してプログラムの効果を検証する予定であったが、対面で行うことは感染症予防の観点から再検討し、アルゴリズムシートやICTの活用によるプログラム作成へと見直すことを今後の推進方策として考えている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、全国の小中高等学校、特別支援学校における調査及び、養護教諭、校長、学校医、地域の保健所の児童福祉司に対するインタビュー調査が、新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受けて、思うように実施できなかったことや、対面による学習プログラム研修ができなかったことがある。 今後の使用計画は、第一に、全国の小中学校特別支援学校の養護教諭に対する全国調査を実施すること、第二に対面の教育プログラム研修をアルゴリズムシートやICT活用による研修プログラムなどICTを活用した教育プログラム開発に代えて実施することである。
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Research Products
(3 results)