2018 Fiscal Year Research-status Report
高齢糖尿病患者における急性合併症予防のためのセルフケアとその関連要因に関する研究
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17K12206
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 三穂 北海道大学, 保健科学研究院, 講師 (00431312)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 高齢者 / セルフケア支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度においては、高齢糖尿病患者のセルフケア上の困難や課題を明らかにしてくために、まずは高齢者施設(介護老人保健施設、および介護老人福祉施設)で生活する糖尿病患者に焦点を当て、高齢者施設に勤務する10名の看護師を対象にインタビュー調査を実施した。インタビューでは、糖尿病は、多様な病気を抱えている高齢者にとってそのひとつではあるが多くの知識と判断が求められる病気として語られていた。入所者が体調不良や変化に自ら気づいたり、訴えたりすることができない場合が多い中、低血糖症状がわかりにくい、高血糖に気づくことが難しい、体調不良と血糖の変動が結びつきにくいなどの難しさがあった。また、入所までの生活において糖尿病のセルフケアをどのように行ってきているのかが不明なことが多く、関わり方に困る状況が生じてしまうことなどが語られていた。急性合併症を予防していくためには、看護師の観察力・判断力、情報をつないでいく力やそのための工夫、他職種との連携・関係性が重要であった。入所者の病気に関連するセルフケアを考えていく視点と同時に、入所者の生活の質という視点から入所者の希望やニーズを尊重した関わりが重要であることが語られていた。インタビューから得られたこれらの結果を定量的に把握してくために全国の介護老人保健施設を対象に質問紙調査を実施している。倫理委員会の承認を得た後に郵送による配票を行い、一部は回収済みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成31年度にかけて実施する予定であった質問紙調査を早めに進めることができているので、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
質問紙調査の結果をまとめる。さらに在宅で療養している高齢糖尿病患者にフォーカスをあて、訪問看護師へのインタビュー調査を計画していく。
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Causes of Carryover |
(理由) 高齢者施設に勤務する看護師を対象にした質問紙調査を予定より早く進めることができたため、質問紙調査の回答用の郵送費として前倒し支払い請求を行った。回収の時期が3~4月であり年度をまたいでいる。回収が終わっていない分があるため、次年度使用額が生じている。 (使用計画) 平成31年度に必要な経費は、これから回収される質問紙の回答用の郵送費、訪問看護師へのインタビュー調査の謝金、調査結果公表のための旅費・校閲費である。
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