2018 Fiscal Year Research-status Report
クリティカルケアにおける臨床倫理分析・調整システムツールの開発
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17K12212
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山勢 博彰 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90279357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田戸 朝美 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (30452642)
山本 小奈実 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60574340)
佐伯 京子 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60759687)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | クリティカルケア / 臨床倫理 / 倫理調整 / 倫理分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、クリティカルケアで生じる倫理上の問題について、一連の問題志向型システムに則って問題解決を支援できる臨床倫理分析・調整システムツールACTce-CCMの開発をすることである。本年度は、これらの問題と倫理調整の実態をさらに明確化するために、質問紙を用いた調査を実施した。 研究目的は、急性・重症患者看護専門看護師(以下、CCNS)が行うクリティカルケアで発生する臨床倫理の問題分析と倫理調整の実際を明らかにすることである。 研究デザインは質問紙を用いた調査研究。対象はCCNS216名。調査は2018年8月に実施し、郵送による質問紙調査を実施した。調査内容は、所属部署、経験年数の基本属性、「医学的適応」「患者の意向」「QOL(Quality of Life)」「家族の心理・社会的状況」「医療チームの状況」「周囲の状況」における倫理的問題の実際、問題分析上の困難と工夫、倫理調整の実際で、自由記述で回答を求めた。なお、研究実施にあたり所属大学の研究倫理審査委員会から承認を受けた。 結果、43名から回答があった。所属部署は、ICUが27名、管理部門が4名、外来などが11名。看護師の平均経験年数は21.2年、CCNSの平均経験年数は4.6年であった。倫理的問題の実際は、「治療の効果とリスクから治療方針が決定できない」「終末期の判断が困難」「意識障害等で意思確認ができない」「治療によって救命できるがQOLは低下する」「家族間で意向が異なる」などがあった。問題分析上の困難には「各医療者の価値観などの違いにより方針が統一できない」「適切な倫理カンファレンスが実施できない」、工夫していることは「分割表を用いた倫理分析」「学会ガイドラインやアセスメントツールなどの活用」などがあった。倫理調整の実際は、「患者の利益を第一に考え対応」「苦痛緩和を充分行う」などであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度までに作成を予定していたACTce-CCM(αバージョン)は作成でき、2020年度の作成を予定していたACTce-CCM(βバージョン)もほぼ作成の見通しができている。従って、その側面では当初の計画以上に進展しているものの、2018年度に予定していたICUまたは救命救急センターに入院した患者と家族を対象にした半構成的インタビューが実施できていないため、概ね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
ACTce-CCM(βバージョン)の作成をし、紙上での事例分析による妥当性の検証を実施する。
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Causes of Carryover |
患者と家族を対象とした調査をしていないため、それに代わる紙上患者家族の事例検討による妥当性検討の調査費を翌年度分の助成金に合わせて使用する計画である。
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Research Products
(1 results)