2018 Fiscal Year Research-status Report
HIV陽性者へのセクシュアルヘルス支援における課題の解明-尺度開発による明確化-
Project/Area Number |
17K12213
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Research Institution | Miyazaki Prefectual Nursing University |
Principal Investigator |
久野 暢子 (加瀬田暢子) 宮崎県立看護大学, 看護学部, 教授 (40253760)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | HIV陽性者 / セクシュアルヘルス支援 / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はHIV陽性者に対するセクシュアルヘルス支援において、看護者が抱える課題を明らかにすることを目的とし、その手段としてセクシュアルヘルス支援困難感尺度を開発し、現状を把握するものである。平成30(2018)年度は、尺度の構成要素に関する2題を学会発表し、学会参加者から頂いた意見をもとに、その要素からの調査項目(原案)を検討し、49項目を設定した。同時に、外的基準となる尺度についての文献検討から、「病院に勤務する看護師の職務満足測定尺度」(撫養真紀子氏ら作成。作者からの使用許可あり)を用いることを決定した。以上により、セクシュアルヘルス支援困難感調査項目と外的基準から成る調査票を完成させた。 この調査票を用いた調査について、研究代表者が所属する施設での研究倫理委員会審査を受け、承認を得た後(承認番号:第30-9)、全国の382施設のHIV拠点病院を対象とした調査を行った。調査対象はHIV関係診療科外来看護を担当する看護師で、調査期間期間は2019年2月~3月であった。その結果、382施設中37施設はHIV陽性者の受診実績なしもしくは研究対象となる看護師が不在という理由で調査協力不可と回答があった。調査協力意思を示したのは56施設、調査対象者は110人であり、最終的な調査票の回収数は73人(回収率69.1%)であった。その他の結果は現在分析中である。 また、前述の学会発表の際に学会参加者と意見交換をする中で、HIV陽性者へのセクシュアルヘルス支援における課題の解明については、看護師が抱く支援困難感だけでなく、支援の受け手であるHIV陽性者のニーズからの検討および評価を行う必要性を強く感じた。そのため、今後はHIV陽性者側からのセクシュアルヘルス支援のニーズ調査を計画し、実施していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30(2018)年度の調査結果の分析を進める必要があるが、これと並行し、HIV陽性者側からの調査の必要性も新たに生じた。この2つの課題を今年度中に遂行するにはやや遅れているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の調査結果の分析を進め、セクシュアルヘルス支援困難感尺度の完成とその結果からの現状把握を行う。これと並行し、HIV陽性者側からのセクシュアルヘルス支援に関する課題を把握し、より良い支援について検討するため、HIV陽性者のセクシュアルヘルス支援に関するニーズ調査を行う。
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Causes of Carryover |
平成30(2018)年度の全国調査は複数年度に渡って行ったため、調査・分析が終了した令和元(2019)年度に支出する。また、HIV陽性者側の調査費用として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)