2017 Fiscal Year Research-status Report
HIV/AIDS外来看護の再構築とその有効性の検討
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17K12216
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
島田 恵 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (20505383)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | HIV/AIDS外来看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
2002年に作成された「HIV/AIDS外来療養支援プロセス」を見直し、改訂するためにHIV/AIDS看護を専門とするコーディネーターナース、日本エイズ学会認定HIV感染症看護師・指導看護師、エイズ診療拠点病院看護師の11名を対象に、外来療養支援の現状と支援プロセスの改訂ポイントやその根拠についてインタビュー調査を行った。その結果、HIV/AIDS外来看護の現状と課題として以下の点が明らかとなった。 ①抗HIV療法のガイドラインでは、より早期に治療開始することになったため、患者が未治療で外来受診する期間が短縮し、また患者は治療に関する情報を入手しやすくなり、周囲に治療を受けている陽性者がいることなどから、患者の治療の受け入れは前向きに変化した。さらに、治療に関する情報提供は薬剤師が担当するなどチーム医療による役割分担が進んだことで、以前のように初診から受診回を経て段階的に患者教育を行うという状況ではなくなっている。②抗HIV療法の継続はおおむね実施されているが、その一方でHIV/AIDSをもちながらの生活習慣病の自己管理やHAND、薬物使用、就労の問題など、HIV/AIDSに伴う周辺の課題に対する支援の難しさが増している。③治療の効果によって療養が長期化することに伴い、患者の生活状況や気持ち、価値観などが変化するが、治療が安定している患者の受診間隔があいて受診回数が減る中、患者の変化を確実にとらえ、タイムリーに対応していくことの難しさがある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は、看護師だけでなく外来受診しているHIV/AIDS患者に対するインタビュー調査も行う予定であったが、調査日程の調整がつかず、また調査対象施設の倫理審査を受審する手続きに時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
東京と大阪のエイズ診療拠点病院に通院する患者を対象に、外来受診の現状と課題に関するインタビュー調査を実施する。その結果と看護師のインタビュー調査で明らかになったHIV/AIDS外来看護における現状と課題をもとに、新たな「HIV/AIDS外来療養支援プロセス案」を作成し、コーディネーターナースやHIV感染症認定・指導看護師による検討会を経て、改訂版を完成させる。 その後、看護師対象の研修会に改訂版プロセスを組み込み、看護師の教育を実施する方向で準備を行う。
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Causes of Carryover |
患者対象のインタビュー調査が実施できなかったこと、および看護師・患者対象のインタビュー調査結果をもとにした検討会の開催もしなかったため、その分が次年度使用額として残ったと考えられる。そのため、次年度には患者対象インタビューのための交通費、謝金およびコーディネーターナース、HIV感染症認定・指導看護師、エイズ診療拠点病院看護師による検討会開催のための交通費、謝金等に使用する。
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