2018 Fiscal Year Research-status Report
クリティカルケア看護師のEnd of Life Careとレジリエンスの日米研究
Project/Area Number |
17K12227
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
大木 友美 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (60383551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 暁子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (70555424)
大滝 周 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (20644579)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | クリティカルケア / 看護師 / End of Life Care / レジリエンス / 日米比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
クリティカルケア看護師は、対応する患者の突然の入室、高度かつ緊迫した治療、急変、死に直面するというサイクルが短期間に生じるという性質上、End of Life Careに関わることが避けられず、看護師のストレスは高い。がん患者のEnd of Life Careに比べると、研究実績が少なく、まだ発展途上の段階であるため、看護師に生じている臨床現場での問題点や現象の明確化や対応基準が提示されておらず、早急な研究が必要である。しかし、そのような状況でストレスがある中でも、長年クリティカルケア看護師を続けている者が多い。それは何故なのか。このような過酷な中でも逆境を克服し、困難を乗り越えていく力であるレジリエンスに着目し、その関連要因を明らかにする。また米国との同時調査で、日米比較を行い、我が国におけるクリティカルケア看護師のレジリエンスを高める方略を提案することを本研究の目的としている。 今回の調査対象者をICU看護師としたため、現在臨床で勤務する重症看護専門看護師および集中治ケア認定看護師5名よりインタビューを行い、ICUでのEnd of Life Careに遭遇した経験、それを乗り越えた要因について尋ねた。その結果をテキストマイニング分析し、単語頻度解析で上位に挙がった項目およびことばネットワークで共起関係を示した言葉を組み合わせてカテゴリ化し、質問紙に組み込んだ。質問紙が完成した後に、インタンビューに応じた専門看護師および認定看護師に質問項目を確認し、意味合いが異なっているものを削除、修正するなどして質問項目を洗練させた。既存の質問紙と合わせて質問紙全項目を完成し、今後調査を実施し、分析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床看護師のインタビューデータによる分析後、質問紙項目を再確認する際に意味合いが異なることが指摘され、再度質問紙を修正したのに時間を要した。日本語版質問紙は完成したが、今後米国での調査に向け、英語版質問紙の完成を目指す。翻訳は米国看護系大学院留学経験のある研究分担者が担当するが、その後、医療専門翻訳家にも合わせて依頼し、日米比較が可能な精度の高い質問紙を作成する。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、クリティカルケア看護におけるEnd of Life Careで生じる困難の質問紙については研究分担者とともに協議し、英語版とともに完成を目指す。選択した既存の尺度は借用許可を取っているので、英語版の質問紙および尺度を作成していく。完成後は直ちに代表者の所属する研究倫理審査委員会で審査を受け、日本での調査準備を整える。また米国調査に協力してくれるワシントン大学教員との打ち合わせを8月に予定しており、その後、米国での対象病院選定および倫理審査委員会の書類、および審査委員会でのプレゼンテーション準備を行う。調査実施の準備が整えば今年度中に米国での調査も日本と並行して行う。
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Causes of Carryover |
平成30年度は国内での調査、分析が中心であったので予定支出よりも少なかった。2019年度は、原則的に当初の予定通りに進めていくが、日米での調査実施に伴う米国への渡航費用、英語版質問紙の翻訳代金、質問紙冊子印刷代金、質問紙郵送料金などに予算が必要である。
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