2020 Fiscal Year Research-status Report
クリティカルケア看護師のEnd of Life Careとレジリエンスの日米研究
Project/Area Number |
17K12227
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
大木 友美 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (60383551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 暁子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (70555424)
大滝 周 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (20644579)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | クリティカルケア / 看護師 / End of Life Care / レジリエンス / 日米比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
クリティカルケア看護師は、対応する患者の突然の入室、高度かつ緊迫した治療、急変、死に直面するというサイクルが短期間に生じるという性質上End of Life Careに関わることが避けられず、看護師のストレスは高い。がん患者のEnd of Life Careに比べると、研究実績が少なく、まだ発展途上の段階であるため、看護師に生じている臨床現場での問題点や現象の明確化や対応基準が提示されておらず、早急な研究が必要である。しかし、そのような背景の中でも、長年クリティカルケア看護師を続けている者が多い。それは何故なのか。このような過酷な中でも逆境を克服し、困難を乗り越えていく力であるレジリエンスに着目し、その関連要因を明らかにする。また米国との同時調査で、日米比較を行い、日本におけるクリティカルケア看護師のレジリエンスを高める方略を提案することを本研究の目的としている。 コロナ下の今年度は調査に至るまでにさまざまな調整が必要であった。本研究は、クリティカルケア部門の看護師が対象であるが、ICUや救命救急センターなどのクリティカルケア部門はコロナウイルスに罹患した患者を受け入れ、治療に当たる部門なので、調査時期を見極めることが課題であった。コロナウイルス流行が下火になった夏頃から、日本全国のICUや救命救急センターを持つ病院をランダムに抽出し、順次、研究依頼書を送付した。12月以降は、コロナウイルス流行再拡大の影響のため調査協力者は途絶えた。日本の調査は、現時点では260件超の回答があった。米国については、Washingtonでの調査が不可能となり、新たに協力者を募った。結果、Associate Professor Ann Eckhardt of the University of Illinois Wesleyanが、協力者となり、調査の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度前半もコロナウイルス流行の影響を大きく受けて、調査時期を遅らせ、いつ調査を実施するかが課題であった。流行が下火になった夏ごろから全国に調査の依頼を開始した。クリティカルケア部門を持つ病院をランダムに抽出し、調査依頼を行ったが、コロナウイルス患者の対応で調査協力できないという病院からの回答も多かった。そこで、さらに対象となる病院を追加選択し、依頼状を発送することを繰り返していった。次第に、コロナウイルスの再流行が始まり、協力病院がなくなり、日本国内の調査が途絶えている。米国の調査対象は、Washington大学の関連病院を対象としていたが、Washingtonでの流行が激しく、調査を断られた。よって、新たに米国での研究協力者を探し、Associate Professor Ann Eckhardt of the University of Illinois Wesleyanが、協力者となり、調査の準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
米国での調査が実施できるように、新たな協力者と連携、調整中である。協力者が変更になったので研究代表者の所属する大学の倫理申請の変更願を行い、承認待ちである。同時に、University of Illinois WesleyanでのIRBの手続きを進めている。この調査の対象となるクリティカル部門の看護師は、このコロナウイルス流行下でどの病棟の看護師よりも疲労感、疲弊感は甚大であり、心身ともに苦痛を生じている状況である。米国でのコロナウイルス流行も激しく、また重症患者に対応するクリティカルケア部門の看護師へのストレスも大きいことが予測される。十分な倫理的配慮のもとで調査時期を決定していく必要がある。
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Causes of Carryover |
令和2年度は、コロナウイルス流行の影響を多大に受けた。調査対象者がコロナウイルス患者対応をする部門のクリティカルケア看護師であるので、調査時期を再検討する必要があった。また米国でもコロナウイルス流行のために医療体制の危機が起こり、調査予定の対象病院の調査を断念するに至り、再度米国での新たな研究協力者や調査対象者を再設定する必要がでてきたので、調整を図った。このような背景があり、研究期間を延長し、米国での調査に臨む。今後米国での調査費用、データが得られた後の統計解析ソフトなど分析に必要な物品もある。また論文投稿、英文校閲などについても予算配分の再検討する必要がある。
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