2017 Fiscal Year Research-status Report
カテーテル・アブレーション患者のQOL向上を目指した援助モデルの開発
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17K12230
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
山田 緑 東邦大学, 看護学部, 准教授 (00339772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 紀之 東邦大学, 医学部, 講師 (60385870)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 援助モデル / カテーテル・アブレーション / QOL / 不整脈 / 循環器看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、カテーテル・アブレーション(catheter ablation;以下CAとする)治療を受ける心疾患患者を対象に、治療の開始前から治療後の回復期・維持期に至る経過を辿りながら、患者のQuality of Life(以下QOLとする)向上を目指した援助モデルの開発を行うことを目的とする。第1段階としては、CA治療を受ける患者の身体的・心理的・社会的な特徴を明確にするため、外来及び入院患者を対象とした半構造化面接調査を実施する。第2段階では、CA治療を受ける患者を縦断的に追跡調査し、質問紙調査を通してCA治療前後の患者の健康状況や日常生活の変化、QOLに関する検討を行う。第3段階では、CA治療前後における患者のQOL及びそれに関連する要因を明らかにすることで、CA治療を受ける心疾患患者のQOL向上を目指した援助モデルを考案する。 初年度である平成29年度は、まずCA治療を実施する研究機関との連携・協力体制の構築を行った。CA治療を専門的に行っている研究協力施設において、対象者への説明、スタッフとの連絡・相談体制の確立など、効果的な連携を図るための方策について討議し実用化した。また、定期的な勉強会、多職種ミーティングなどを実施した。次に、CA治療を受けた患者を対象とした半構造化面接調査を行った。CA治療を受け外来に通院する心房細動患者を対象に半構造化面接を実施し、自らの病いに対する思いやCA治療を受けた体験、医療ニーズについてインタビュー調査を行った。対象者の同意を得てICレコーダーに記録したデータは逐語録として、現在専門家のスーパーバイズを受けながらテーマ的ナラティヴ分析を行っている。最終的には患者の個別的なストーリーを重要視しながら理論化を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的に沿って、計画的に資料の収集や分析を遂行しているため、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、前年度に引き続きインタビュー調査の分析を実施しながら、その結果を踏まえた上での質問紙調査を計画・実施する。インタビュー調査の分析においては、一つひとつの事例にみられる個別の主観的世界に注視し、テキストの流れや形式、また文脈を通したシークエンスを重視した分析を行う。分析の過程においては、テキスト解釈学の専門家のスーパーバイズを受けながら考察を深めていく。 CA治療を受ける患者を対象とした縦断的質問紙調査に関しては、CA治療を受ける患者を対象に、治療前と治療後のアンケート調査を予定している。質問項目は、対象者の健康状態(自覚症状、不整脈の程度等)や生活状況(ADL、身体活動量、生活習慣等)、治療への受け止め、QOL、予後データで構成する。万一、調査計画に変更がある場合には、調査対象施設を増やすなどの対応を検討する。しかし、計画全体に延滞をきたさないように配慮する。この質問紙調査の成果については、研究会や学会等で発表を行い広く情報発信を行う。
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Causes of Carryover |
(理由) 平成29年度の研究費の未使用額は、対象となる患者の負担を考慮した結果、面接調査にて当初予定していたインタビュー時間より録音時間が減少したために生じたものである。 (使用計画) 平成30年度は、未使用額と併せて、質問紙調査費用の他、主に学会参加費、研究成果の論文投稿費用等に充てる。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] 質の高い心臓マッサージ法を修得できる教育教材の開発2018
Author(s)
中村裕二, 山田緑, 宮本毅治, 岩谷留利, 後藤愛, Nur Jaharat Lubna, 千葉浩輝, 長澤(萩原)美帆子, 中瀬古(泉)寛子, 安東賢太郎, 内藤篤彦, 杉山篤
Organizer
稲門医学会第一回学術集会
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