2021 Fiscal Year Research-status Report
SLE女性患者のBFの獲得を促進するアピアランスケアプログラムの構築
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17K12235
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
カルデナス 暁東 大阪医科薬科大学, 看護学部, 准教授 (80434926)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 慢性疾患 / 自己免疫疾患 / SLE / アピアランスケア / 有益性の発見 / QOL / 自己概念 / メイクセラピー |
Outline of Annual Research Achievements |
多くの膠原病患者は,ステロイド薬や免疫抑制剤など長期的な内服を強いられる。ステロイド薬には,高い治療効果と同時に,色素沈着やムーンフェイス等患者の自己概念が大きく揺らぐ外見上の問題を引き起こす副作用もある。女性患者は疾患と治療によって,身体的なディストレスのみならず,他者との人間関係にもネガティブな影響を受けている。近年,病の経験の肯定的な側面を見出すことつまり有益性の発見(Benefit Finding、以下BFとする)は,患者の望ましい療養行動,QOLの向上につながると考えられる。病を持っている自分と向き合い,受け入れることは患者のBFの獲得には重要なプロセスである。この作業にはメイクセラピーの効果が期待できる。 本研究はSLE成人期女性患者は生活と治療との折り合いをつけるためのBFを獲得し,自分らしく質の高い社会生活を送ってもらうため,多職種(医師、看護師、薬剤師、心理療法士)チーム連携による支援プログラムを開発し,その有効性を評価することを目的とした研究である。 本研究プログラムは,フォーカスグループインタビューと個別メイクセラピーによって構成されている。2021年度は新型コロナ感染拡大のため,ステロイド剤を内服しているSLE患者の感染予防の観点から,外来通院患者の対面で本研究プログラムは実施できなった。研究者間において,オンラインによる介入も検討したが,患者側の端末やネット環境,メイクアップ経験の少ない患者の場合は遠隔介入の限界等の課題があったため,現在継続検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染拡大のため,外来通院患者を対象に対面で実施できなかった。オンライン形式の支援を検討しトライしたが,対象者のパソコン端末や自宅のネット環境の整備の問題や,これまでにメイクアップの経験が少ない患者の場合は,遠隔介入の限界があって対象者から自宅でオンライン形式は利用しにくいとの意見があって,2021年度は予定していた外来通院患者を対象としたプログラムは実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
対象者を外来通院患者のみならず,入院中の患者も対象とし,研究を進めていく予定である。また,対面できない場合は,ポイントメイクグッズを作成し,患者に提供する方法もとり入れる。現在,研究実施方法を変更し,施設の倫理審査委員会に変更手続きをしている。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大のため,研究は予定より大幅に遅れているため,期間延長を行い,研究費を次年度に使用することとした。2022年度から外来通院患者以外に,入院中の患者も研究対象者とする(現在学内の倫理審査委員会に実施方法変更申請中)。具体的には,対象者への謝礼,遠隔介入の際にメイクアップ経験の少ない対象者でも簡単に使用できるポイントメイクグッズの製作,まとめた研究成果を関連学会で発表する予定である。
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