2017 Fiscal Year Research-status Report
臨床看護師による頭頸部がん患者のセルフマネジメント強化のための食生活指導への提言
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17K12244
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
長崎 ひとみ 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (00436966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 美知子 共立女子大学, 看護学部, 教授 (80227941)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 頭頸部がん / 食生活 / セルフマネジメント / 放射線療法 / 化学療法 / がん看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,放射線・化学療法により身体的侵襲の大きい頭頸部がん患者の治療過程における食生活を改善することにあり,頭頸部がん患者の放射線・化学療法により生ずる自覚症状を軽減しながら食事・栄養摂取状態を維持・改善するための臨床看護師による食生活指導を提言することである。 【研究実績の概要】 研究計画の概要は,放射線・化学療法を受ける頭頸部がん患者の食事摂取状態と身体状態を患者自らが記載する自己管理ノートを活用し縦断的に調査し,その分析結果から各治療時期(治療前・中(放射線療法40Gy)・終了時(放射線療法70Gy)・退院後1年まで1~2ヶ月毎)における食事・栄養摂取状態を改善する摂しやすい食品,調理法の工夫等について明らかにし,患者のセルフマネジメント力強化に向けて自己管理ノートを活用した臨床看護師による食生活指導書と活用方法について提言することである。 平成29年度は患者の食事・栄養摂取状態と身体状態を患者が記載するための自己管理ノート(調査用紙)の作成に向け,H26~H29年度科学研究費助成事業課題(挑戦的萌芽研究)「臨床看護師のための頭頸部がん患者の治療過程別食生活指導ガイドラインの提言」の調査結果に基づき,自覚症状等ノートへの記載内容の検討や,患者に負担がかからず継続できるような,食事摂取量の調査方法および自己管理ノートのフォーマットの検討を行った。また,看護師の食生活指導内容について文献検討を実施した。当該施設の倫理審査委員会への申請準備を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成29年度は,放射線療法・化学療法を受ける頭頸部がん患者の食事摂取状態,身体状態を患者自らが記載する自己管理ノートの作成に向け,検討を行った。調査は退院後1年間の縦断調査を予定しているが,退院後には患者自身が食事摂取量を記載する必要があるため,患者に負担のかからない食事摂取量調査の方法について検討中であり,当初の計画より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
第1段階:放射線・化学療法患者の食生活の実態調査 1.調査対象者:頭頸部がんで放射線・化学療法を受ける予定の患者30名程度。 2.調査内容:1)対象者の属性(年齢,性別,疾患名,治療内容)2)健康状態(1)血液生化学的検査値Alb(g/dl), Hb(g/dl),総リンパ球数(×103/μl)等19項目。(2) 自覚症状「咽頭痛」「口内痛」「口腔内乾燥」「味覚低下」等局所症状8項目,「倦怠感」「食欲不振」等4項目の合計12項目。「全くない」から「非常にある」のVASで評価する。3)食生活(1) 食物の摂取状態:五訂増補日本食品標準成分表の18食品群。(2) エネルギー, たんぱく質,脂質,炭水化物等15項目。(3) 食事の摂り方の特徴:摂取しやすい食品,食材,調理法,食物特性(固さ,味付け,温度等)4) 医療者から受けた指導内容 3.調査方法:1)研究場所:山梨大学医学部附属病院耳鼻咽喉・頭頸部外科病棟,外来病棟 2)調査期間:平成30年8月~平成31年12月末日 4.調査手順:1)対象者に治療前,治療中(40Gy),治療終了時(70Gy)終了時),治療終了1年目までの縦断調査を実施する。2)治療開始前に対象者に自己管理ノートを渡し,記入方法について指導する。自己管理ノートには自覚症状12項目,食事内容,メニュー毎の摂取量,摂取しやすい食品・調理法等を含む。3)食事・栄養摂取量の測定は,調査者が各食メニュー毎に秤量する。退院以降の調査は,対象者に食事をデジタルカメラでの撮影を依頼する。栄養摂取量の算出にはエクセル栄養君ver.7(建帛社)を用いる。4)血液生化学的検査値は,食事調査日または外来受診時に実施し,微量元素等の分析は株式会社SRLに依頼する。
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Causes of Carryover |
平成29年度の当初の計画では,調査を開始予定であったが,対象者が自ら記載する自己管理ノート(調査用紙)の検討や,対象者に負担のかからない栄養・食事摂取量調査の方法の検討に時間を要しているため,調査開始には至っていない。そのため,自己管理ノートの印刷代,血液データの分析にかかる費用が未使用であったため,平成30年度に繰り越すこととし,次年度使用額が生じた。次年度使用額は,自己管理ノートの作成(製本),血液データの分析に充てることを計画している。
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Research Products
(2 results)