2017 Fiscal Year Research-status Report
化学療法中の就労乳がん患者のセルフケア能力評価尺度の開発
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17K12252
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
鈴木 敦子 宮城大学, 看護学群(部), 助教 (60527901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 俊子 宮城大学, 看護学群(部), 教授 (60325933)
菅原 よしえ 宮城大学, 看護学群(部), 教授 (60315570)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 乳がん / 化学療法 / セルフケア / 就労 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、看護師による社会的側面を踏まえたセルフケア支援方法の確立および就労支援を目指し、化学療法中の乳がん患者、女性就労者という対象特性を踏まえた患者のセルフケア能力に着眼し、セルフケア能力を適切に評価できる尺度を開発することを目的とする。 平成29年度は、質問項目の作成にあたり構成概念の検討を行った。国内外のセルフケア能力、化学療法中のセルフケアに関する文献検討の結果、本研究ではオレムのセルフケア不足理論を基盤としたセルフケア能力の概念を適用し、化学療法中の就労乳がん患者のセルフケア能力を、「化学療法中の乳がん患者が治療と就労の継続という生活経験において、セルフケアの学習や実践を通して獲得する、セルフケアの実施を可能とする自らの意思を含んだ複合的で後天的な能力」とした。 また、上記の文献検討と並行し、化学療法中の就労乳がん患者のセルフケア能力の構成概念を明らかにし、質問項目を作成するために、化学療法中に就労を継続していた乳がん患者を対象に半構造化面接調査を行った。その結果、治療や就労関する情報を探索する力、働き続ける意思を持つ力等の概念が明らかになった。現在、構成概念に応じた質問項目を作成し、がん専門看護師、質的研究者、尺度開発の専門家によるスーパーバイズを受け、内容妥当性の検討を行っている。次年度も引き続き、専門家らによるスーパーバイズを依頼し、質問項目の内容妥当性の検討を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
化学療法中の就労乳がん患者という対象特性を踏まえたセルフケア能力評価尺度を開発するという目的をより精緻に達成していくため、文献検討や面接調査の分析を十分に検討する必要性があった。特に、構成概念に応じた質問項目を作成する上で、各専門家らのスーパーバイズを依頼し、質問項目の内容妥当性を検討するために時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、前年度に引き続き、化学療法中の就労乳がん患者のセルフケア能力評価尺度の質問項目を作成し、予備調査を行う。予備調査では、作成した質問項目数に応じて対象者数を検討し、評価尺度の弁別力、構成概念妥当性、基準関連妥当性、信頼性の検証を行う。今後の推進方策は、尺度の質問項目の作成を最優先とし、内容妥当性を高められるように、質的研究の専門家やがん看護の専門家へスーパーバイズを依頼し、専門的知識の教授や助言の依頼を行う予定である。また、予備調査の実施にあたり、研究協力施設の医師及び看護師と十分に連携を図り、研究対象者選定の依頼を行っていく。
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Causes of Carryover |
平成29年度の計画では、作成した質問項目に対する予備調査を開始する予定であったが、質問項目の作成に時間を要した。そのため、調査に必要となる人件費、謝金、旅費、消耗品等の経費の使用が減少したと考えられる。 平成29年度の繰越額は、予備調査実施のための人件費、謝金、旅費、消耗品等の必要経費として使用する。また、当該研究を取り巻く、新規性・独創性を持った研究の情報を得ること、研究結果の社会への発信を行うため学会参加費や旅費として使用する。
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