2018 Fiscal Year Research-status Report
緩和ケア専門看護職による終末期がん患者の在宅療養移行・継続プログラムの評価
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17K12269
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
番匠 千佳子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 臨床准教授 (10571101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 一恵 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (10210113)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 終末期がん患者 / 在宅療養移行 / 緩和ケア領域の専門・認定看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、非適用群の分析および学会発表を行った。 1.「在宅移行前における終末期がん患者の症状体験とQOLおよび気分の特徴と関連」 対象者12名の分析を行った。結果:対象者らは在宅移行前に様々な症状を複合的に体験しつつも、気分については健常であった。Maslowの自己実現理論に反して、今回の結果からは終末期で「生理的欲求」が満たされてなくても上位の「所属と愛の欲求」や「承認の欲求」などの欲求が満たされる可能性があることが考えられた。また、[だるさ][ストレス][口の渇き]など薬剤での緩和が困難な終末期の症状が医療者との信頼関係に影響する可能性が推測された。看護師は症状緩和を諦めない姿勢で接し続けること、患者のストレッサーと対処を把握し適応に向けた丁寧な支援を行うことが在宅移行前の患者との援助関係の構築に繋がることが考えられた。 2.「終末期がん患者の在宅療養移行前後のトータルペインと希望の変化」 対象者4名の分析を行った。結果:対象者らは全員退院後一週間程度で症状が増強しており、特に「痛み」は4人共通して増強していた。症状増悪にもかかわらず在宅療養中のQOLは維持・向上していた。患者の在宅療養の希望が叶ったことがトータルペインを改善させたと考えられ、患者の希望を叶えられるような支援体制や医療者との信頼関係を構築することが重要である。さらに患者の希望を叶えることは、患者を支援するチームが患者を人として尊重したこととなり、終末期であっても患者自身が自らの存在価値を認められることにつながった可能性があるといえる。患者の在宅療養の希望を叶えることは症状増強にもかかわらずトータルペインを改善させる可能性が示唆された。また在宅療養を継続するためには移行前および在宅移行後1週間の症状緩和への支援を強化することの必要性が示唆された。今後は在宅移行後の症状増強の理由を明らかにしてく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
対象者が終末期のがん患者であることから、在宅移行予定であったとしても病状の変化により、在宅移行が難しくなるケースなどがあり、非適用群の対象者数が十分得られない状況にあった。そのため適応群を実施するまでにもいかない状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
非適用群の分析結果は、学会発表において、対象者数は少ないが大変貴重なデータであるという評価を受けており、今後、緩和ケア領域の学会誌に論文掲載をしていく予定である。
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Causes of Carryover |
計画では、適用群まで実施予定であったが、計画通り進まなかったため、残金が生じた。次年度は研究を廃止するため使用額は生じない。
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