2017 Fiscal Year Research-status Report
化学療法を受ける乳がん患者の味覚障害に対する客観的評価を用いた看護援助の検討
Project/Area Number |
17K12272
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
大石 ふみ子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (10276876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白鳥 さつき 愛知医科大学, 看護学部, 助教授 (20291859)
葉山 有香 同志社女子大学, 看護学部, 講師 (30438238)
南 裕美 武庫川女子大学, 看護学部, 助教 (90779240)
樺澤 三奈子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (80405050)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 乳がん / 化学療法 / 抗がん剤 / 味覚障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、化学療法を受けている乳がん患者の味覚について主観的および客観的指標を用いて継続的に調査を行い、治療開始前から治療終了後までの味覚障害の状況と味覚障害によるQOLへの影響を明らかにし、味覚障害への効果的対処を促す看護援助を検討することを目的とする。 平成29年度から平成30年度は、化学療法を受ける乳がん患者の味覚障害とQOLの状況を把握するため、化学療法を受ける乳がん患者30名を対象に、治療開始前から治療終了時まで継続的にTaste stripsを用いた味覚検査と質問紙調査(CiTAS、QOL-ACD)を行うことを目標とした。 平成29年度は研究開始年度であるため、調査開始に先立ち、研究分担者・研究協力を依頼するががん看護専門看護師との会議を重ね、調査方法と内容について吟味を実施した。研究計画の吟味と、各施設での調整と並行して、味覚の客観的測定のために使用するTaste strips作成のための調整を実施した。本研究は、簡便で臨床活用が行い易いTaste Stripsを用いることを重要なポイントの一つとしているが、Taste Stripsは市販されていないため安定した品質でこの測定具を作成・確保するために薬学部の専門家へのコンサルティングを実施した。さらに平成29年度は各調査施設との調整・倫理審査実施を経ての調査開始となった。 調査においてはそれぞれの対象者について、治療開始前から治療終了後3か月までと、おおむね8か月前後が必要である。そのため、計画では30名の対象確保を平成29年から30年に実施することにしており、現在進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、乳がんで化学療法を受ける患者の治療前から治療終了後3か月までにおいて、味覚の状態を多角的に調査し、さらにそのQOLへの影響を追求するもので、一人一人の対象について継続的データの確保を目指している。対象とした患者によっては、治療が中断されたり、調査への参加を中止したりすることも生じるため、目標としている30名の対象者確保のため、2年以上の期間が必要であると考え、平成30年までの調査期間を想定しているおり、調査を続行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、臨床で活動するがん看護専門看護師3名の協力を得て、それぞれのフィールドにおいて対象者を確保し、調査を行うように調整を図っている。化学療法を受ける乳がん患者の数は変動し、また治療途中での研究参加の辞退や、治療そのものの中断等もあるため、対象者の状況に合わせて、できるだけ負担のない形での協力を依頼する。同時に、直接調査にあたる臨床の看護師の負担軽減をはかるために調査フィールドの拡大や、協力看護師のの追加について、研究代表者・分担者で検討中である。
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Causes of Carryover |
本研究での調査は、乳がんで化学療法を受ける患者である。一人の対象者に対して継続的に調査することが必要であるため調査期間が長期にわたることに加え、一斉に調査を行うことができない。対象となる患者が得られるかどうかはコントロールができないためあらかじめ29年から30年にかけて継続的に調査をすることを予定しており、平成29年度繰り越しとなった額については、平成30年度の患者調査に使用予定である。
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