2021 Fiscal Year Research-status Report
化学療法を受ける乳がん患者の味覚障害に対する客観的評価を用いた看護援助の検討
Project/Area Number |
17K12272
|
Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
大石 ふみ子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (10276876)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白鳥 さつき 名古屋学芸大学, 看護学部, 教授 (20291859)
葉山 有香 同志社女子大学, 看護学部, 准教授 (30438238)
南 裕美 武庫川女子大学, 看護学部, 助教 (90779240) [Withdrawn]
樺澤 三奈子 新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (80405050)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 乳がん / 化学療法 / 有害事象 / 味覚障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2017年からの課題であり、乳がんで術前もしくは術後化学療法を受けている患者の味覚について主観的および客観的指標を用いて継続的に調査を行い、味覚障害の状況と味覚障害によるQOLへの影響を明らかにし、味覚障害への効果的対処を促す看護援助を検討することを目的とする。 2017年度~味覚障害に対する我が国のケアの現状を文献的に調査し、さらに患者経験者からその内容を把握した。これらに基づき、調査内容は治療開始前から治療終了時まで継続的にTaste stripsを用いた味覚検査と質問紙調査(CiTAS 、QOL-ACD)を基本とし、これに加えて患者に記載してもらう日記形式の調査用紙を作成した。 2018年度から臨床において乳がんでEC療法など3週間に1回通院して行う治療を受ける対象に対してでの調査を実施してきた。化学療法開始前から3ヶ月後に至る調査を実施してきたが、患者に対して、抗がん剤化学療法による有害事象が生じている、苦痛の大きな時期に長期間に渡る協力を依頼する研究であるため、任意の協力を継続して得ることは困難が伴い、結果として2019年度までに十分な症例が得られなかったことから期間延長して調査を行った。 その後、新型コロナウイルス感染症の影響により、臨床での調査が困難になり2020年度に1回目の延長を申請し、2021年度再延長を申請した。2022年度には、再々延長の申請を行っている状況である。 このような状況下ではあるが、乳がん患者との関わりを行うことで、がんの体験、様々な化学療法に対する副反応等について知見が得られ、これらについて、学部教育のための教科書執筆に活用した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルス感染症蔓延による臨地での調査継続困難のため。 本研究の対象者は、外来で抗がん剤化学療法を受けている乳がん患者である。1名の患者を対象とした調査期間が治療開始前から終了後の約半年にわたるため、データ収集には時間がかかる。 新型コロナウイルス感染症により、研究者が臨床現場に立ち入ることが困難である、さらに、調査を実施しているクリニック、市立総合病院においても大変多忙な状況が持続している。これにより現在臨床での協力を得るのが困難な状況も生じている。それにより、さらに一年間研究期間を延長することとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
2020年度、2021年度に続き、2022年度においては3回目の延長申請を行った。 本研究は、化学療法を受ける乳がん患者を対象としているため、2021年度、骨髄抑制の副作用のリスクが高く、易感染状態にある人を対象とする。新型コロナウイルス感染症のまん延下において、臨床現場に入り込み、インフォームドコンセントを行って患者をリクルートし、さらに抗がん剤投与当日に治療室で複数回の調査を行うことができなかった。 2022年度においては、臨床の現場においても徐々に日常性が取り戻されつつあるため、調査の方法について現場と協力し、研究者が現場に立ち入らずともデータを収集できるように病院・臨床現場に協力を得られるよう、調査の簡素化、インフォームドコンセントの方法の工夫を行う予定で準備を開始している。倫理的な課題についても検討し、調査の実現に向けて会議を行い、まずは可能なフィールドから開始する予定である。
|
Causes of Carryover |
本研究は、外来化学療法室で治療を受ける乳がん患者を継続的に調査するという内容である。2017年度からの課題であり、対象を30名程度集めることを目標にしていた。しかし、コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、研究者の病院・外来への立ち入りが厳しく制限されることとなり、継続的な調査はとても困難な状況に陥り、さらには、全く新規の対象者のリクルートが不可能な状況となった。そのため、調査に伴う諸費用、分析のための費用、学会発表のための費用等が予定通りに予算執行できない状況となり、2022年度に延長申請することとなった。2022年度においては、臨床状況が落ち着くのを見計らい、できる限りの調査を進める予定である。
|
Research Products
(1 results)