2022 Fiscal Year Annual Research Report
Taste disorders in breast cancer patients undergoing chemotherapy -comparison between patient's subjective feelings and objective measurements-
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17K12272
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
大石 ふみ子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (10276876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白鳥 さつき 名古屋学芸大学, 看護学部, 教授 (20291859)
葉山 有香 同志社女子大学, 看護学部, 准教授 (30438238)
南 裕美 武庫川女子大学, 看護学部, 助教 (90779240) [Withdrawn]
樺澤 三奈子 新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (80405050)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 乳がん / 化学療法 / 抗がん剤 / 味覚障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2017年からの課題であり、乳がんで術前もしくは術後化学療法を受けている患者の味覚について主観的および客観的指標を用いて継続的に調査を行い、味覚障害の状況と味覚障害によるQOLへの影響を明らかにし、味覚障害への効果的対処を促す看護援助を検討することを目的で実施した。 2022年度末までに、パクリタキセル/カルボプラチン療法 (TC療法)4クールを行った八名の乳がん患者について、治療初回から治療終了後3ヶ月までの味覚障害について主観的および客観的データを収集した。 対象者は30代から60代、全員が術後補助療法として化学療法を実施していた。四種類/四段味の味覚検査試験紙による客観的味覚検査の結果、塩味・甘味・苦み・酸味の四種についての味覚は、治療中はそれぞれ障害されるが治療終了後3ヶ月までにほぼ正常に回復していた。特に障害されたのは塩味と甘味であり、酸味と苦みについては、障害の度合いが少ないことが明らかになった。 主観的味覚については、CITAS(化学療法に伴う味覚変化評価スケール)日本語版vesionβを用いて継続的に調査した。その結果、全般的な味覚変化と不快症状は、最後の治療日において最も強く出現し、3ヶ月後には消失した。基本味覚の低下。自発性以上味覚・錯味については、程度は低いものの治療開始後から治療終了後約1ヶ月後まで継続し、3ヶ月後に消失した。客観的味覚および主観的味覚の双方において、化学療法開始時点において、軽度の症状が出現している対象者が8名中3名みられた。これは、手術の影響が残存していたり、化学療法開始にあたっての不安が、味覚に影響した可能性が考えられる。個別のインタビュー内容等を含め詳細な味覚変化のありようが示されたと考える。
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