2021 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部がんで化学放射線療法を受ける患者の栄養状態改善のための介入プログラムの開発
Project/Area Number |
17K12277
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
岩永 和代 福岡大学, 医学部, 准教授 (40461537)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 曜子 国際医療福祉大学, 福岡看護学部, 講師 (70469386)
小竹 久実子 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90320639)
羽場 香織 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (90419721)
浦 綾子 福岡大学, 医学部, 准教授 (00526519)
牧 香里 福岡大学, 医学部, 講師 (70280261)
宮林 郁子 清泉女学院大学, 看護学部, 教授 (40294334)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 頭頸部がん / 化学放射線療法 / Quality of Life / 身体組成 |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部がんで化学放射線療法を受ける患者を対象にQOL及び身体組成を測定した。2022年4月現在44名が研究に参加した。参加者は男性37名、女性7名、平均年齢は66.0歳であった。放射線療法はIntensity Modulated Radiation Thrapy;IMRTで、照射量の平均は66.8Gryであった。 QOL調査はSF36v2、EROTC-QLQ-C30、EROTC-QLQ-H&N35を用いて行った。SF36v2におけるPhysical Component Summary(PCS)、Mental Component Summary(MCS)、Role-social Component Summary(RCS)は、治療開始前から国民標準値より低く、治療終了後も低いままであった。特にRCSは私たちの過去の研究結果と比較しても低く、コロナ禍で普段の活動や人との付き合いが減少していることとの関連を、今後慎重に検討していく必要がある。また、EROTC-QLQ-C30、EROTC-QLQ-H&N35では、治療終了後はPain、Swallowing、Dry mouth、Sticky salivaといった、口腔に関する症状が悪化していた。これらの症状は経口摂取の障害となって栄養状態を悪化させる要因となっている可能性が示唆された。身体組成は、Bioelectrical Impedance Analysis法で行った。BMIは治療開始前22.8、治療終了後19.7と14%減少、筋肉量は治療開始前46.0、治療終了後42.2と減少していた。しかし、BMIや筋肉量は年齢や性別などの交絡要因を分析する必要がある。また、ほとんどの対象者が、体重減少(BMIの減少)、筋肉量の減少をきたす中で、一部の対象者は、体脂肪量の増加があった。治療中は身体組成を評価することの必要性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度からの新型コロナ感染症蔓延のため、研究フィールドである病棟への立ち入りが制限され、約3ヶ月研究が中断したため対象となる患者のリクルートができなかった。そのためコロナ禍以前に研究への参加承諾を頂き、治療開始前に調査を実施していた対象者も、治療が終了した退院前の調査ができなかった。また、2022年2月にフィールドである病棟でクラスターが発生したため、約2週間研究を中断し、新たなリクルートができなかった。このような状況があり、研究参加者は44名(参加予定60名)にとどまっている。さらに参加者のうち、5名死亡、体調不良等の理由で7名が途中辞退したため、調査が停滞している。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在調査中の栄養状態(身体組成)とQOL調査を継続する。縦断的に調査継続中の参加者の中にも、死亡、体調不良で途中辞退者もいるため、欠損したデータ取り扱いのついて検討していく。 看護介入プログラム(案)を作成のために理学療法士や管理栄養士の助言を求め作成する。完成後は、診療部長の承諾を得て患者へのプレテストを行う。看護介入プログラムを用いた具体的介入の手順について検討し、計画書を作成する。 調査の中間報告として、26rd East Asian Forum of Nursing Scholarsでの発表準備を行う。
|
Causes of Carryover |
発表した国際学会(International Conference on Cancer Nursing 2022)がweb開催となり、旅費等の使用がなかった。次年度は、海外での学会発表および論文投稿費とする。
|
Research Products
(1 results)