2017 Fiscal Year Research-status Report
胃切除術後患者へのICTを活用した自己管理支援プログラムの構築と有効性の検証
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17K12278
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
豊福 佳代 産業医科大学, 産業保健学部, 助教 (50737195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永松 有紀 産業医科大学, 産業保健学部, 准教授 (20389472)
藤野 ユリ子 福岡女学院看護大学, 看護学部, 教授 (90320366)
平川 善大 福岡女学院看護大学, 看護学部, 助教 (90784819)
樗木 晶子 九州大学, 医学研究院, 教授 (60216497)
宮園 真美 九州大学, 医学研究院, 学術研究員 (10432907)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 胃切除術後 / セルフケア / ICT活用 / 食関連行動 / 術後機能障害 / 自己管理支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、胃切除術を受けた胃がん患者が自らの健やかな食生活をマネジメントするために、ICT(Information and Communication Technology)を活用した自己管理支援ツールの作成と、そのツール使用による自己管理支援プログラムを開発し、その効果を検証することである。 本研究は2段階構成のプロジェクトとして遂行しており、第1段階として前研究の調査結果をもとに、自己管理支援ツール(モバイルアプリ)の作成を行う。申請者が平成26~28年に実施した前研究では術後半年間の胃切除術後患者の実態調査を行い、セルフケア能力が高いと術後後遺症状が軽い傾向であることや、就労の有無など生活スタイルによってもセルフケア能力や後遺症状に差があった。さらに詳細な分析を行った結果、退院直後が最も後遺症状が強くセルフケア能力が落ちること、その後も時期によって症状が異なること、セルフケア能力の維持と向上を目指した定期的なサポートが退院後も必要であることが明らかになった。これら術後の時期に応じた症状の変化や対応、日常生活や食生活に関する情報等を整理するとともに、文献レビューの結果も踏まえてデータベース化し、アプリに搭載する機能について検討中である。必要なコンテンツを精選した後、モバイルアプリを試作し専門家会議にて検討する。試作品完成時は前調査対象者の中から協力の得られる数名に試用を依頼し、アプリの操作感やシステムに関する使用感および問題点を抽出し、完成版を目指す。第2段階は、作成したアプリを活用した場合の胃切除術後半年間の術後後遺症状、セルフケア能力、精神的状態、食関連行動等の実態と関連を調査し、アプリ活用効果を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度は前研究結果をさらに詳細に分析し、術後半年間の詳細な術後機能障害・精神的症状・セルフケア能力・食行動についての実態と関連を明らかにした。術後どの時期にどのような介入が必要か、対象者属性による差も明確になった。また、ICTを使った自己管理支援に関する介入研究についての文献検索を開始した。対象文献が少なく、引き続き、文献の収集と検討を行っている状況である。分析と文献検討に時間を要したため予定であったアプリ作成まで到達しなかったが、これらの結果を踏まえて、今後ツール作成に向けたコンテンツの精選を行っていく。また、アプリの作成と並行して、介入研究開始に向けた準備を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に予定していた前研究データの詳細な分析にやや時間を要し、アプリ作成まで到達しなかったため、平成30年度前半で実施する。また、平成30年度にはアプリ作成と並行して、本研究の第2段階である介入研究計画を明確にし、倫理申請等準備を行ったうえで、データ収集を開始する。前研究での協力施設に引き続き協力依頼する予定である。本研究課題に精通した看護教員や医師とのディスカッションを通して分析方法についても検討していく。得られた結果については来年度以降の学会発表、論文投稿に向けてまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画進行が遅れたため、予定していたモバイルアプリ作成に関わる費用が使用されなかった。そのため平成30年度に、開発や人件費を含めたモバイルアプリ作成関連費用とて使用する予定である。同時に当初から予定の介入研究計画、情報収集、成果発表等に係る費用として、交付予定金と合わせて使用し研究を遂行する。
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